原油相場急落で15年に業績悪化見通し、ここ3カ月の株価急落で反映済みか

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド)  13.28 HKD
(12/11現在)
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中海油田服務はこのほど、2015年通期の売上高および純利益が前年比で大幅に落ち込む見通しを明らかにした。BOCIはこれに伴い、14-16年の予想純利益をそれぞれ3-15%減額修正したが、このところの原油相場の急落を理由に、石油会社の設備投資削減は想定済みだと指摘。同社H株がここ3カ月間に43%下落したことに言及した上で、15年の減益見通しはほぼ織り込まれたとみて、株価の先行きに対する強気見通しを継続している(A株に対しては中立見通しに下方修正)。

BOCIは15年の業績悪化を想定内とし、1月に年次戦略プレビューが行われる前の現段階で大幅減益見通しを公表した経営陣のスタンスを評価。投資家保護の姿勢を示したと受け止めている。また、15年は油田サービス業界全体にとって厳しい年になるとしながらも、同社への打撃は相対的に小幅にとどまるとの見方。その理由として大口取引先の中国海洋石油(シーエヌオーオーシー:00883)からの受注が見込める点を挙げた。下方修正後の利益見通しをあてはめた上で、同社H株の値ごろ感を指摘している。

経営陣によれば、15年に特に苦戦が見込まれるのは掘削部門。15年の業務がすでに確保できているのは掘削リグの90%にとどまるという。中でもノルウェー企業スタトイル向けにサービスを行う半潜水型リグCOSLPioneerは14年第4四半期に稼動を停止し、15年も7.5カ月にわたって休止状態が続く見込み。スタトイルが15年の設備投資を14%カットしたことが原因であり、停止期間中に中海油田服務が受け取るデイレート(日割作業料率)は50%にとどまるという。BOCIはジャックアップリグ全体のデイレートについて、15年に前年比8%の落ち込みを予想している(米ドル換算)。 また、石油会社の設備投資の削減で、地質調査部門でも業務量が落ち込み、サービス料金が低下する見通し。BOCIは二次元および三次元反射地震探査のデータ収集量について、前年比10%の落ち込みを見込んでいる。 一方、経営陣によれば、中国石油天然気(ペトロチャイナ:00857)から獲得した南シナ海での大型契約が寄与し、坑井サービス部門は15年も小幅の成長を維持する見込み。BOCIはこれをポジティブサプライズと受け止めている。また、近海作業船・運輸サービス部門も、新造船の寄与や資産減損処理の剥落(14年に1億7600万元の損失計上見込み)で成長持続が期待できるという。このほか、経営陣は15年の設備投資計画について65億-75億元との数字を明らかにしている(BOCIの従来予想は78億元)。 BOCIは14-16年の予想純利益を3-15%減額修正し、15年のEPSについては前年比16%の減少を見込んでいる。これに伴い、15年予想PER10.3倍を当てはめる形で目標株価を引き下げたが、H株の現在株価が同7.4倍の低水準にあることに言及し、先行きに対する強気見通しを据え置いた。