ウエハー製造部門を総額80億元で売却へ、売却価格は予想下回る

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03800 保利協キン能源(ジーシーエル・ポリー・エナジー)  2.11 HKD
(12/01現在)
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保利協キン能源がウエハー製造部門の売却計画に関する詳細を発表した。それによると、売却額は総額80億元(101億HKドル)で、売却資産の利益および純資産ベースでは2014年予想PER 6倍、同予想PBR 1.4倍に相当する水準。これはBOCIや市場の予想を下回る金額となる。売却は2部に分けて行われる運びであり、売却先はそれぞれ、上海超日太陽能科技股フン有限公司(深センA002506)と第三者(China Minsheng Investmentの子会社)。BOCIは売却が成功した場合、保利協キン能源の15年通期純利益が25億3300万HKドルに膨らむとみている。ただ、売却額が同社自前の評価(14年予想PER17倍)を下回ったことを理由に、株主承認を得るのが難しくなったと指摘。当面の不透明感を理由に、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

BOCIによると、売却額の80億元はウエハー部門の利益に基づく13年実績PER、14年予想PER換算で、それぞれ12.5倍、6.0倍となる。BOCIは部門利益の算出に当たり、多結晶シリコン(ポリシリコン)の適正価格ではなく社内向け価格を適用したが、いずれにせよ、売却オファー価格は市場予想の100億元を20%ほど下回る水準となる。 経営陣の計画どおりに売却が進んだ場合には、売却益の計上に加え、現金受け取りに伴う7億800万HKドル相当の金利コスト軽減が可能となる見込み。BOCIはこれにより、15年通期純利益が25億3300万HKドルに達するとみている。この数字は売却要因を含まない従来予想を6%上回る。また、ウエハー部門は225億HKドルの有利子負債を抱えるため、同社の純現金収支は売却後にプラス化し、多結晶シリコンビジネスに資源を集約できる見通しという。 ただ、BOCIはこの売却計画が株主承認を得られるかどうか不透明感が残るとの見方。現時点では目標株価に多結晶シリコンおよび電力事業の予想利益のみ組み入れ、売却益や支払金利の削減効果などは反映させていない。計画通りの売却が実現した場合の15年予想純利益(25億3300万HKドル)をあてはめた場合、現在株価の15年予想PERは13倍となる。