14年7-9月期に17%増益、預金の伸びと不良債権指標の改善を評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03618 重慶農村商業銀行股フン有限公司(チョンチン・ルーラル・コマーシャル・バンク)  3.73 HKD
(11/03現在)
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重慶農村商業銀行の2014年1-9月期決算は、純利益が前年同期比13.2%増の53億7000万元に達した。7-9月期では同16.5%増の17億8000万元と、BOCIの予想を3.7%上回る数字だった。本土銀行銘柄の同期決算はこれですべて出そろったが、BOCIは預金の安定増や不良債権比率の低下(7-9月期)といった点で優れていたとして同行の決算内容を前向きに評価。14年、15年、16年の予想EPSをそれぞれ1%、5%、6%上方修正し、新たに0.74元、0.82元、0.87元に設定した。目標株価を据え置きながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

7-9月期には預金残高が前期比3%増と、同業銘柄の中で最も高い伸びを達成した。預金残高に関する新規定(月末の預金残高と当該月の1日当たり平均残高との格差が3%を超えてはならないと規定)の影響をほとんど受けなかった。BOCIは同行が展開している地方部のビジネスネットワークや地元・重慶市の相対的に高い経済成長率を指摘。15-16年も預金額の堅調推移が続くとみている。

純金利マージン(NIM)は7-9月期の期首と期末の数字を用いた計算で3.16%と、前期比で9ベーシスポイント縮小した。資産運用利回り、有利子負債コストがそれぞれ6.17%、3.25%と、前期比で48ベーシスポイント、61ベーシスポイント上昇した。BOCIによれば、要求払預金(当座預金や普通預金など)の比重低下に伴う預金コストの増大がNIM縮小の主因という。

一方、不良債権比率は7-9月期に0.81%と、前期比で4ベーシスポイント低下。不良債権残高も19億元と、前期比1.2%縮小した。年率換算の信用コスト比率が0.91%と相対的に高水準を維持する中で、引当率は期末に442%に上昇。貸出総額に対する引当金の比率も3.60%に上向き、いずれも上場銀行の中で最も高い水準に達した。BOCIによると、今後も比較的良好な重慶市の経済環境が資産の健全性維持に寄与する見込み。また、これまでの手堅い引当方針を受け、この先の引当圧力は同業銘柄に比べて小さくなる可能性が高いという。

BOCIはビジネス地域面での成約が一段の資産拡大の足かせとなること、さらに国内景気の減速が資産の質的悪化を招く可能性があることなどを同行の潜在リスクとしている。ただ、14年予想PBR0.67倍、同予想PER3.98倍に当たる現在株価の相対的な値ごろ感を指摘。さらにファンダメンタルズの健全さに触れ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。