14年7-9月期に26%増益、シェア低下や売上高伸び悩みが懸念材料に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00762 中国聯合網絡通信(香港)股フン有限公司(チャイナ・ユニコム(ホンコン))  10.92 HKD
(10/24現在)
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チャイナ・ユニコムの2014年7-9月期の純利益は前年同期比26%増と、BOCIの予想を上回った。主に販売費・マーケティング費や端末補助金の削減が予想上振れの要因となった。ただ、ARPU(加入者1人当たり月額収入)や加入者数の伸びは弱く、BOCIはこの点からやや慎重。基地局の建設運営事業を共同で進めるとの通信キャリア3社の方針は、チャイナ・ユニコムにとって最も恩恵が大きいとしながらも、短期的には市場シェアの低下圧力や売上高の伸び悩みが株価の重しとなる可能性を指摘。通信キャリア3銘柄の中では、引き続き中国電信(チャイナ・テレコム:00728)を選好し、以下、中国移動(チャイナ・モバイル:00941)、チャイナ・ユニコムの順としている。

チャイナ・ユニコムの7-9月期純利益は前年同期比26%増の39億元。BOCI予想を45%上回り、14年通期予想の33%に当たる数字となった。EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は前年同期比12%増の243億元と、BOCI予想を4%上回る水準。主に「その他営業支出」の軽減が寄与したためで、この項目の対サービス収入比は1-3月期の27%、4-6月期の26%から21%に下向いた。ほかに端末補助金が前期比45%減、前年同期比57%減の6億6300万元にとどまったことも利益押し上げ要因となった。一方、売上高に目を向けると、固定通信部門が前年同期比1%の増収を確保する半面、携帯電話サービス収入が低調。3Gサービスが始まった2009年以来初めて、同収入が前年同期実績を下回った。

BOCIはARPUの低下や販売費および端末補助金の軽減を反映させる形で、14-16年の利益見通しをそれぞれ2%減、7%減、4%増に修正。同社に対する楽観見通しを妨げている要因として、◇携帯サービス収入が前年同期比3%、前期比7%それぞれ減少した、◇3Gおよび2GのARPUがいずれも前年同期比19%低下し、前期比でも10%、9%の落ち込みを示した、◇9月単月の3G加入者純増数が前月比10%減の113万人にとどまり、年初からの月平均を56%下回った――などの点を指摘した。競合2社が4Gサービスを始動させる中、ARPUの高いハイエンド顧客が流出している可能性に言及している。実際、チャイナ・ユニコムの4Gネットワークは余力が小さく、他2社が豊富なデータ利用プランを打ち出す中で劣勢を強いられているという。

BOCIによると、同社の潜在的なリスク要因は加入者数およびサービス収入の市場シェアの低下。場合によってはこれが長期成長見通しに影響する可能性もあるという。ただ、現在株価いついては値ごろ感を指摘。短期的にはシェア低下が株価の重しとなる可能性を指摘しながらも、現段階では目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。