高級車市場の拡大が追い風、生産増強やニューモデル投入が成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01114 華晨中国汽車控股(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)   15.70 HKD
(07/14現在)
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ブリリアンス・チャイナとBMWとの合弁会社「BMWブリリアンス」の販売状況は、年初から経営陣の目標や市場予想を上回るペースで推移している。生産力の増強や旺盛な高級車需要が背景。中国の高級車ブームによる恩恵という点で、BOCIは世界最大の高級車メーカーであるBMWの優位を指摘。生産増強やニューモデルの競争力、販売代理網の小規模都市への拡大が一段の成長を支える見通しを示した。また、ブリリアンス・チャイナの2014-16年の予想純利益を増額修正するとともに目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

BMWブリリアンスの販売台数は、2014年上期に前年同期比32.5%増の14万0013台に達した。中でも3シリーズとX1の売れ行きが好調で、上期にそれぞれ同44.1%増、同119.5%増。5シリーズも同12.9%増と安定的な伸びを維持した。6月単月ではBMW全体で前年同月比29.2%増の2万4133台。年初からこれまでの好調を受け、BOCIは14年通期の予想販売台数を26万8000台(前年比30%増)から28万5000台(同38%増)に上方修正した。また、BOCIは中国の高級車市場全体に対しても楽観的であり、現時点での高級車普及率(7.2%前後)が主要先進国を下回ることを理由に、依然成長余力が大きいとみている。この先16年には米国に追いつき、その後、イタリアや英国のレベルに並ぶ可能性があるという。

BMWブリリアンスの年産能力は2017年までに現在比で倍増の70万台に達する見込み。まずは16年初めに、瀋陽市の鉄西工場3期(年産20万台)が操業を開始する予定となっている。また、年産40万台規模の新たなエンジン生産工場も16年に稼働する運びであり、BOCIは現地生産化に伴うコスト軽減や採算性の向上を予想している。

2015年以降、BMWブリリアンスは全車種を対象に、それぞれ1つ以上のニューモデルを投入する計画。15年第4四半期に予定される2シリーズActive Tourerの発売を皮切りに、新世代X1(16年)、新世代5シリーズ(17年)の発表が予定され、現地仕様の新型X3(17年)、新世代3シリーズ(19年)がこれに続く見通し。BOCIは向こう数年間にわたり、ニューモデルの発売が成長エンジンになるとみている。

BOCIはマクロ経済の不透明感やニューモデルの発表が遅れる可能性などをブリリアンス・チャイナの潜在的なリスク要因としながらも、BMWの売れ行き好調を織り込む形で14-16年の予想EPSを1-6%上方修正。それぞれ0.89元、1.14元、1.49元に設定した。現在株価は14年、15年の予想PERで14倍、11倍の水準にあるが、BOCIは先行きへの楽観見通しや高級車市場におけるリーディングポジションを理由に、同社が同業銘柄に対するプレミアムに値するとの見方。14年予想PER17倍をあてはめる形で目標株価を引き上げ、同社に対する強気見通しを継続している。