通信キャリア3社の基地局共有、大手設備サプライヤーにプラス

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊(ZTEコーポレーション)  14.78 HKD
(07/14現在)
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中国の通信キャリア3社が基地局などの通信インフラ施設を建設・運営する合弁会社「中国通信設施服務有限公司」(CCFSC、通称:鉄塔公司)を設立する計画を明らかにしたことで、BOCIは携帯電話4Gサービスを形成する最後のパズルのピースが埋まったとみている。付加価値税制の導入や国際4G規格FDD-LTEの試験認可に続くCCFSC創設計画を受け、政策面での懸案事項がすべて明確化したと指摘。4Gサービスの本格スタートに向け、中興通訊、華為科技、エリクソン、アルカテル・ルーセントといったネットワーキング設備の大手ベンダーに恩恵が及ぶ見通しを示した。BOCIは大手ベンダーが4G関連の最良の投資選択肢になると指摘した上で、中興通訊に強気見通しを示し、中国本土系TMT(テクノロジー・メディア・通信)銘柄の2014年のトップピックに選定している。同社の4G基地局設備、中核ネットワーク設備、ブロードバンドインフラ設備などの国内受注は向こう2-3年にわたって好調を維持する見通しという。

新会社CCFSCは資本金100万元で、通信キャリアのチャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・ユニコム(00762)、チャイナ・テレコム(00728)がそれぞれ40%、30.1%、29.9%を出資する。今年下期にも新たな通信塔および基地局施設の建設を開始するとともに、キャリア3社が保有する既存施設の買収を検討する。ただ、BOCIによると、3社がCCFSCを通じて共有するのはあくまで“ファシリティー(施設)”であり、コンポーネントではない。従って、中興通訊などの設備ベンダーが供給する、いわゆる“アクティブコンポーネント(動的機器)”の需要減にはつながらず、むしろキャリア各社が施設費用の節約分をコンポーネントに回す可能性があるという。

経営陣の発表によると、中興通訊の14年6月中間期の純利益は前年同期比158-223%増の8億-10億元(中国会計基準)に上る見通し。BOCIは◇1-3月期にコア利益6億2200万元を計上するなど好決算を達成した、◇チャイナ・モバイルのTDD-LTEネットワーク第1期の完成に伴い、関連設備収入の大半が上期に計上される運びであり、しかも利幅が大きい――ことを理由に、上期純利益が10億8700万元(国際会計基準)に達するとみている。また、チャイナ・モバイルからの大量の4G設備受注を受け、13年上期に25.7%だった粗利益率が14年上期には34%に上向くと予想。さらにキャッシュフローの改善にもつながる見通しを示した。

一方、携帯端末部門の上期の売上高について、BOCIは前年同期実績の高さや端末部門の再編(3Gから4Gへの移行)を理由に一桁台の落ち込みを予想している。同社によれば、下期には端末販売全体に占める4G機種の割合が60-70%に上昇する見通し。7-9月期以降はチャイナ・テレコムの4Gサービス開始に伴う販売台数の伸びや平均販売価格の上昇が端末部門の成長を支えるとみている。