14年1-3月期決算は予想上振れ、一般客部門の堅調が利益成長後押しへ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01928 金沙中国有限公司(サンズ・チャイナ)  61.45 HKD
(04/25現在)
 株価
 企業情報
 チャート

サンズ・チャイナの2014年1-3月期決算はコンセンサス予想を上振れたが、市場ではカジノセクター全般について、VIP収入の減速懸念が広がっている。ただ、BOCIはサンズが一般客部門に強みを持つことに言及し、カジノ銘柄が売られる中にあっても相対的に抵抗力が強いとの見方。同社VIP収入の14年の予想伸び率を下方修正しながらも、16年には新規リゾートの収益寄与が始まると予想。現在の株価バリュエーションが15年予想ベースで魅力的水準にあるとして、目標株価をやや引き上げた上で、先行きに対する強気見通しを継続した。

14年1-3月期の純収入は前年同期比34.7%増、前四半期比7.5%増の27億2000万米ドルと、ほぼ予想の範囲内。調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は前年同期比49.8%増、前四半期比12.1%増の9億3810万米ドルに上り、市場予想およびBOCI予想からそれぞれ5.8%、4.2%上振れた。一般客市場の最大手としての強みに加え、大型カジノリゾート『ベネチアン・マカオ』の好調が好決算を支えた。

傘下の『ベネチアン』および『サンズ・コタイ・セントラル』の一般客賭け金総額は、1-3月期に前四半期比8.5%増、同11.5%増と力強い伸びを示した。一方、この2施設のVIP賭け金総額は前年同期比8.6%減、前四半期比11.7%減。BOCIは主要2施設以外に、『プラザ・マカオ』『サンズ・マカオ』が今後も安定成長に寄与するとみている。

同社は先ごろ、ジャンケット(VIPの仲介人、世話人)を削減するとの方針を発表したが、BOCIによれば、これはマカオ市場におけるVIPビジネスの低迷とタイミングを合わせた決定。BOCIは14年のVIPカジノ収入の予想伸び率を3%下方修正し、これに伴い、売上高、調整後EBITDA、純利益見通しをそれぞれ7.6%、4.7%、3.0%減額修正した。14年の予想EBITDA伸び率は前年比32.6%。ただ、16年については『パリジャン・マカオ』の収益貢献を理由に、前年比25%増収、同32%増益を見込んでいる。 カジノ別に見ると、『ベネチアン』の1-3月期の調整後資産EBITDAは前年同期比34.9%増の4億7010万米ドル。マカオで最も新しいカジノリゾート『サンズ・コタイ・セントラル』の同EBITDAは前年実績の低さもあり、前年同期比101.7%増の2億6520万米ドル。前四半期比では11.5%の伸びだった。このほか、相対的に規模が小さい『プラザ・マカオ』の同EBITDAは前年同期比110.8%増の1億1300万米ドル。『サンズ・マカオ』は同5.4%減の9140万米ドルにとどまったが、これは主にマカオ半島エリアにおける競争激化が響いたためという。 BOCIはマカオカジノ市場のVIP収入の委縮見通しやバリュエーションの相対的な高さが短期的にセクター全体の株価パフォーマンスに影響すると予想しながらも、一般客部門の堅調見通しなどから、サンズ・チャイナの先行きを楽観視している。