非石炭事業がカバーする収益モデルを評価、魅力的なバリュエーションにより強気見通しを継続

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01088 中国神華能源 (チャイナ・シェンフア・エナジー)  22.40 HKD
(04/01現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国神華能源の2013年本決算は、純利益が前年比9%減の451億元とBOCIの予想値を10%上回る結果だった。石炭事業の貢献が予想以上となったことが利益上振れの主因。14年も国内石炭価格の下落が続くとBOCIはみているが、同社に関しては非石炭事業の貢献により14年の減益幅は9-10%にとどまるとの見方だ。同社は石炭、発電、鉄道、港湾、輸送、石炭化学と、幅広く手がけるビジネスモデルにより香港上場の石炭会社の中で最も高い収益性を誇る。13年の業績では営業利益のおよそ半分を非石炭事業が貢献。13年は石炭販売量の18%、自社生産量の29%に相当する9260万トンの石炭を自社の電力および石炭化学部門に販売した。

13年12月期の石炭部門営業利益は359億元と前年を20%下回った。石炭平均販売価格が前年比8%下落した一方、生産コストは同5%上昇したことが利益に影響。しかし同社は石炭以外の事業で石炭部門の落ち込みをカバーし、営業利益をほぼ前年並みに維持している。中でも電力部門の営業利益は前年比43%増の185億元を達成。販売量の拡大と燃料コストの低減が利益を押し上げた。鉄道部門も輸送量が前年を16%上回る好調で営業利益は同32%増の136億元となった。非石炭事業の営業利益は前年比38%増の355億元。営業利益全体に占める割合は12年の36.2%から49.5%に拡大した。

14年も国内石炭販売価格の下落が続き、石炭部門の事業環境は一層の厳しさを増す見通しだ。BOCIは14年の秦皇島一般炭の平均スポット価格について前年比10%下落の1トン当たり529元に落ち込むと予想。発電量の大幅な上昇は見込めず、販売量の増加も期待できない状況にある。中国神華能源も14年の石炭生産量、販売量、および発電量を控えめに見積もっている。

BOCIは同社の13年決算発表を受けて14-15年予想利益を11−13%引き上げた。同社の株価は現在、14年予想PER8.8倍と割安な水準にある。BOCIはバリュエーションをこれまでの14年予想PER12倍から11倍に見直し、これに伴い目標株価を下方修正した。株価見通しについては強気の見方に据え置き、リスク要因として石炭価格の急落と、生産コストの大幅な上昇を挙げている。