13年本決算で17%増益、4GのFDD事業に照準

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00728 中国電信(チャイナ・テレコム) 3.15 HKD
(03/20現在)
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チャイナ・テレコムの2013年12月本決算は、純利益が前年比17.4%増の175億元と、BOCI予想およびコンセンサス予想通りの水準に達した。第4四半期には携帯電話サービス部門の増収率が減速し、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)マージンが低下する中、前年同期比19%の増益を確保した。同社は第4世代(4G)規格の一つ、FDDのサービス開始に向けた準備を進めており、仮に政府当局によるFDD免許の交付が遅れた場合、携帯サービス部門の売り上げや加入純増数の減速といった点で業績に一定のマイナス影響が及ぶ見込み。ただ、それでも同社はコスト管理を通じ、利益成長を維持する見通しという。BOCIは36%に上る配当性向や4.2%の高配当利回りが同社株価を支えるとみて、先行きに対する強気見通しを継続している。

13年には2G部門のARPU(加入者1人当たり月額収入)の低下を受け、携帯電話サービス部門の増収率が減速したが、代わって固定通信部門が健闘し、同部門売上高は460億元と、BOCI予想を12%上回る水準。ネットトラフィックの伸びやクラウドベースのデータセンター業務の好調が、音声通信収入の低迷をカバーした。ブロードバンド加入純増数は13年に1000万件に達したが、それでも固定通信利用者に占めるブロードバンドユーザーの割合は期末時点で約64%。BOCIは今後、同部門が売り上げ成長を維持する上で、企業向けソリューション業務の重要性が増すとみている。

携帯電話サービス部門のARPUは第4四半期に55.15元と、BOCI予想の57.6元を小幅に下振れた。ハイエンドユーザーの3G移行に伴い、2GのARPUが予想より低水準にとどまったことが響いた。

13年の期末配当は前年比12%増の0.095HKドルで、配当性向は36%。経営陣はフリーキャッシュフロー改善を挙げ、配当性向を今後引き上げる可能性を示唆している。

経営陣によれば、14年の設備投資予算は前年並みの803億元だが、うち携帯電話ネットワークに対する投資は前年比44%膨らむ見込み。4Gネットワーク向け投資が中心になるとみられ、BOCIは14年にFDD基地局8万カ所の増設を予想している(13年末時点で推定6万5000カ所)。一方、世帯向け回線の光ファイバー化がほぼ完了したことで、ブロードバンド関連投資は前年を47%下回る見通しとなった。

同社はすでに全国規模でのFDDネットワーク敷設の準備を進めており、基地局は14年末に14万5000に上る見込みで、主要100都市をある程度カバーすることが可能となる。既存ネットワークに対するFDDの適応度の高さから、BOCIは15年の設備投資も最大1000億元にとどまるとみている。また、CDMAベースのFDD-LTE端末は世界的に成熟度が高く、端末供給も十分間に合う見込み。経営陣によれば、事業免許発給から1カ月後には1000元程度の低価格スマートフォンが大量に出そろう見通しという。