主力のウェブゲームが堅調、モバイルゲームが成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00484 雲遊控股(フォーゲーム) 58.70 HKD
(01/14現在)
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2009年創業の雲遊控股はウェブゲーム(ブラウザゲーム)の開発・配信大手であり、最近ではモバイルゲーム事業を強化している。ウェブゲームのタイトル数は現在30余りで、自社プラットフォーム「91wan」の登録ユーザー数は1億7000万人。ウェブゲームのライフサイクルは通常2年程度と短いが、BOCIによると、開発および配信業務のシナジー効果が同社の強み。ゲームプレイヤーのニーズや利用性向に関する綿密な調査・分析を通じ、ターゲット層向けに良質の作品を送り込むことに成功している。また、同社は12年からモバイルゲーム開発に着手し、14年第2四半期には販売チャネルとなるアプリストアを立ち上げる予定となっている。BOCIはウェブゲームの堅調やモバイルゲームの貢献を理由に、14年通期に前年比43%の増収を見込み、増益率は同46%(非GAAPベース)に上ると予想。営業利益率は30.7%へ4ポイント改善するとみている。また、14年予想PER15倍をあてはめた上で目標株価を設定し、株価の先行きに対する強気見通しを明らかにしている。

主力のウェブゲーム部門の堅調が今後も安定的な収入増に寄与する見込み。13年9月時点で、同社のウェブゲーム33作品のうち、14作品のピーク時月間収入が1000万元を上回り(ヒット作品を示す業界指標)、うち4つは同3000万元を超える水準にある。13年下期にはウェブゲーム「闘破乾坤」「古剣奇侠」やモバイル版「凡人修真」の投入効果で、売上高が前期比6%増加する見込み。ただ、現金外支出を除く非GAAPベースの純利益は、研究開発費の増大やIPO関連費用の計上を受けて前期比ほぼ横ばいとなる見通しという。一方、BOCIによれば、同社は13年第4四半期から14年にかけ、ウェブゲーム15作品以上、モバイルゲーム15作品以上を投入するとみられる。

この先焦点となるのはモバイルゲーム事業。同社の第1号タイトル「風雲天下」(12年5月発表)は13年上期に収入ベースで国内トップ5にランクイン。13年下期には旗艦ウェブゲームタイトル「凡人修真」と「酔西遊」のモバイル版を発表したが、中でも「凡人修真」が好調で、1月の月間収入は1000万元に達する見通しだ。同社のモバイルゲーム作品は今後、13年第4四半期-14年にかけて多様化する見込み(RPG、防衛ゲーム、カジュアルゲームなど)。また、14年第2四半期に予定するアプリストアの立ち上げがユーザー体験の点から差別化につながるとみられ、BOCIはモバイルゲーム事業の売上構成比が13年の6%から14年には17%、15年には23%に上向くと予想している。

BOCIは同社の潜在的なリスク要因として予想以上に早いウェブゲームの成熟化などに言及しながらも、株価の先行きに対して強気の見方。目標株価の算出に当たって14年予想PER15倍をあてはめたが、これはインストール型ゲーム分野の有力企業NetEase(米ナスダック上場)の同12倍を上回る水準となる。