13年7-9月期決算が予想上振れ、主力2部門が2割強の増収達成

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03888 金山軟件有限公司(キングソフト) 19.00 HKD
(11/13現在)
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キングソフトの13年7-9月期の売上高は前年同期比51%増、前四半期比11%増の5億5100万元に達し、市場コンセンサス予想を3.7%上振れた。純利益は前年同期比51%増、前四半期比12%増の1億6300万元と、市場予想を13%、BOCI予想を37%上回る水準。BOCIはマーケティング費の増大を理由に、続く10-12月期の営業利益率が前四半期を10ポイント下回ると予想しながらも、引き続き同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

事業部門別に見ると、7-9月期にはオンラインゲーム部門の売上高が前年同期比28%増の2億7100万元に上り、全体の49%を占めた。季節的に閑散期に当たるため、前四半期比ではほぼ横ばいだったが、旗艦タイトル「JXオンライン3」は好調。9月の拡張パッケージ投入が寄与し、同期収入は前四半期比18%増の1億2370万元に上った。部門売り上げに占める割合は46%に達している。一方、BOCIによれば、その他タイトルの収入は前四半期比で推定11%減少したという。このほか、同期のゲーム部門の業務統計を見ると、ピーク時の同時利用者数は前四半期比ほぼ横ばいの61万人。月間の有料アカウント総数はベトナムでの「JXオンライン・ワールド」のアカウント数の落ち込みで、前四半期比11%減の179万件にとどまった。ARPU(加入者1人当たりの月間収入)は前四半期比12%増の48元。同社は現在、モバイルインターネット関連事業への参入に焦点を当てており、モバイルゲーム9作品の開発を進めている。

一方、アプリケーション・ソフト部門の7-9月期の売上高は前四半期比23%増の2億7040万元と、同じく全体の49%に当たる水準。インターネットセキュリティー(子会社KIS)およびWPS(無線LAN機器の接続やセキュリティーなどの設定を簡単に行うための規格)事業が引き続き上向きに推移した。うちKISの広告・付加価値サービス収入は前年同期比144%増、前四半期比25%増の1億7130万元に達し、部門売り上げに占める割合は63%相当。モバイル事業の収益化においても前進し、売り上げの8%を同事業が占めた。また、WPS収入は企業向けの成長を背景に前年同期比35%増、前四半期比37%増の7800万元に達し、部門売り上げに占める割合は29%だった。ユーザー基盤の拡大も顕著であり、KIS製品のモバイルアクティブ利用者数は9月に1億2300万人と、1月の4100万人、6月の8800万人から順調に増加。WPS利用者数も1年前の600万人から2500万人に急拡大している。

BOCIは主力ゲームタイトルの予想以上に早い飽和化を潜在的なリスク要因として指摘しながらも、7-9月期の好決算を受け、非GAAPベースの14-15年の利益見通しを4-7%上方修正。SOTP(サム・オブ・ザ・パーツ)方式に基づいて目標株価を上方修正し、先行きに対して強気見通しを維持している。