モバイルゲーム戦略を高評価、携帯サービス部門の長期成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) 426.00 HKD
(10/08現在)
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騰訊控股は8月、無料通話・メールアプリ「微信」(WeChat)とモバイルQQを主力プラットフォームとするモバイルゲーム戦略を始動させたが、BOCIはこれを高く評価し、ユーザーに対する魅力やゲームコンテンツの質などの面から、同業他社との差別化が可能とみている。また、長期的にはモバイル・インターネット事業とオフラインの購買行動をつなぐO2O(Online to Offline)が焦点になるとの見方。モバイル事業の売り上げ見通しを上方修正するとともに目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気の見方を継続している。

8月前半に新たなゲーム「Timi Match Everyday」を発表してから、同社はほぼ2週間ごとに異なるジャンルの3タイトルを投入した。微信とモバイルQQとの利用量はほぼ同水準にあるが、微信のゲームユーザーの購買力がQQを上回るという。BOCIはこの先、よりマニアックなゲームをリリースするのに伴い、モバイルゲーム事業の収益性が向上するとの見方。2014年にはモバイルゲーム部門の売上高が48億元と、同社全体の6%を占めると予想。また、国内市場全体に占める同社の売り上げシェアが30%に達するとみている。今後扱うモバイルゲームの多くは、海外でのヒット作を含む第三者の開発タイトルとなる見通しという。

モバイルゲーム戦略への高評価を背景に、BOCIは長期的なモバイル取引事業の成長潜在力を指摘している。12年8月に微信メンバーシップカードの発行を開始して以降、同社は自前のペイメントシステムTenpayや位置情報サービス(LBS)、QRコードなどを利用し、オフラインと連携させる形でオンライン上でのプレゼンスを強化してきた経緯があった。

一方、同社は先ごろ、有力ポータルサイト捜狐(Sohu)傘下の検索エンジン捜狗(Sogou)への資本参加を発表したが、これは自社サイトにトラフィックを誘導するために有効な手段であるとの判断や、捜狗が人気のモバイルアプリを展開していること、さらに自前の検索ビジネスの赤字などが理由。捜狗との提携により、一段の収益力向上を目指す。

なお、BOCIは同社経営陣とのミーティングから得た情報として、他に以下の点を明らかにしている。◇各種モバイルゲームの発表直後のアクティブユーザー数は1日当たり1000万-2000万人に上る◇韓国ではモバイルゲーム市場の規模はPCの約半分に当たるが、中国では10分の1(12年)に過ぎない◇PCからモバイルへのシフトが進む中、PC経由のウェブゲームの利用者数は今後減速する見通しだが、利用者1人当たり平均収入は上向く可能性が高い◇画像・メッセージ共有プラットフォームのMomentsを微信と統合させて単一プラットフォームとした◇膨大なユーザー基盤を持つ同社は電子商取引において広告宣伝活動を必要とせず、同業他社に対する価格競争力も強い――。