13年6月中間期に10%増益、需要回復で業績改善傾向が鮮明

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02338 イ柴動力股フン有限公司(ウェイチャイ・パワー) 28.15 HKD
(08/30現在)
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ウェイチャイ・パワーの2013年6月中間期の純利益は前年同期比10%増の20億8500万元と、BOCIの予想通りの水準に達した。四半期別に見ると、4-6月期の純利益は同46%増の12億7200万元に上ったもよう。12年1-3月期から13年1-3月期まで5四半期にわたり、45%、47%、53%、43%、21%の幅で前年同期実績を割り込んだ後、直近四半期には利益水準の回復が鮮明となった。およそ2年にわたる低迷期を経て需要が回復に向かったためで、4-6月期にはインフラ・不動産投資事業の成長を背景に、売上高もプラス成長を回復した。BOCIは同社H株が現在、13年予想PER10.8倍の水準にあると指摘。目標株価を同12倍の水準に据え置いた上で、同社株価に対する強気見通しを継続している。

中間期の売上高は前年同期比14%の伸びを示し、4-6月期には同31%増。また、上期の粗利益率は前年同期の18.8%から19.9%に改善した。自動車業界のニュースレターによると、中国国内の大型トラック(セミトラクターを含む)販売台数は4-6月期に前年同期比39%増。12年1-3月期から13年1-3月期まで5四半期にわたって同16-34%の落ち込みを示した後、明らかに回復傾向に転じた。こうした需要の回復が業績改善を支える要因となった。

同社の大型トラック向けディーゼルエンジン販売台数は中間期に前年同期比23%増の15万5100台に達し、大型トラック(14トン以上)向けの国内シェアは38.5%と、11年の36.2%、12年の32.6%から上向いた。一方、建設機械用のエンジン販売台数は上期に同6%増の4万1900台で、ホイールローダー(総重量5トン以上)向けの市場シェアは67%。11年の77.8%から12年に約60%に低下した後、再び回復傾向を見せた。一方、大型トラックの販売台数は同0.5%増の4万7000台と、市場全体の8%増を下回る伸び。ギアボックス販売は同23%増の32万400台だった。

BOCIは中国経済の先行きや不動産関連政策をめぐる不透明感に言及しながらも、インフラ投資の回復基調が同社のハイパワーエンジンの販売増につながるとの見方。下期に前年同期比およそ30%の増加を見込み、13年通期では前年比20%の伸びを予想している。

一方、フォークリフト大手の独キオン(KION)に対する出資比率の引き上げや、キオン傘下の油圧システム事業者リンデ・ハイドロリクスの買収について、BOCIは高油圧事業の成長を後押しするとの見方。また、掘削機、ブルドーザー、フォークリフトトラック、ヨットを含めた製品の多様化と事業バランスの改善につながるとみている。油圧製品の売上比率は長期的に30-35%に達する見通しという。