13年6月中間期に3%増益、次世代4Gの開始に伴う受注増に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00552 中国通信服務股フン(チャイナ・コムサービス) 5.48 HKD
(08/29現在)
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中国通信服務の2013年6月中間期の純利益は前年同期比2.8%増の12億4200万元と、BOCI予想およびコンセンサス予想通りの水準だった。同社は事前に、同期純利益がほぼ横ばいとなる見通しを明らかにしていた。BOCIは同社が通信インフラサービスの有力プロバイダーであることや通信キャリアとの緊密な提携関係に言及し、次世代4Gサービス関連の設備投資に伴う恩恵の点で、同業他社を上回るとみている。また、現在株価の値ごろ感や業績見通しの明確さを受けた再評価の余地を指摘。株価の先行きに対する強気見通しを継続し、通信ベンダーのトップピック銘柄としている。

6月中間期の売上高は前年同期比10.2%増の324億元と、BOCI予想を下回ったが、これは主に利幅の低い業務を抑制するという経営方針を受け、ビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)部門の売上高が相対的に低調だったため。低価格ベンダーとの競争を背景に、ネットワーク・メンテナンス事業(売上構成比9.7%)の増収率は4.2%に減速した。

国内の非通信キャリア向け売上高、海外売上高は中間期にそれぞれ前年同期比11.8%増、30%増。アフリカやその他地域での受注増が海外売り上げの伸びを支えた。一方、国内の通信キャリア向けの売り上げを見ると、チャイナ・テレコム(00728)向けが同9%の伸びとなり、残る2社、チャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・ユニコム(00762)向けが各5%増。中国通信服務はLTE(4G)エンジニアリングおよび設備据え付け業務において、同グループ系列であるチャイナ・テレコム以外のキャリアからの受注増を目指しているが、現時点では引き続きチャイナ・テレコムが中心となっている。

中間期の粗利益率は前年同期を0.3ポイント下回る15.4%。下請け業務に絡むコスト増を人件費の抑制で一部相殺した。経営陣によると、利益率の低下圧力は依然大きく、通信キャリア支援事業やBPO事業を選択的に行うことで利益率悪化を抑える方針という。

経営陣によれば、通信キャリア各社に対する今後の4G事業免許の交付が、自社の通信サービス事業のビジネスチャンス拡大につながる見込み。免許発給時期を決めるのは政府当局であり、そのタイミングが13年下期の業績を左右する。仮に発給時期が年末となった場合には、4G関連収入の大半の計上が14年にずれ込む見通しという。また、経営陣はキャリア各社による4G設備投資の一部が3G投資を肩代わりする形になると見て、4G向け投資がそのまま設備需要の上乗せにつながるかどうかは不透明だとしている。ただ、BOCIは4G関連プロジェクトの平均粗利益率が3Gを上回ると予想。その理由として、通信インフラサービス部門でエンジニアリング業務の比重が拡大する見通しに言及している。