優良資産と業績改善見通しで高評価、下期に2桁収益成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01212 利福国際(リフクコクサイ) 15.66 HKD
(07/17現在)
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BOCIは利福国際の株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げた。同社株の最近の調整を受け、2013年上期の低成長見通しがすでに織り込まれたとの見方が背景。前年同期の既存店売り上げ伸び率の低迷やこの先の財務費用の軽減を見込み、下期以降には10%台の収益成長を回復するとみている。また、当面は消費者心理の点で目立った改善には期待しにくいとしながらも、同社の優良資産を評価し、バリュー面での値ごろ感に言及している。

同社は7月29日に13年6月中間決算の発表を予定しているが、BOCIは同期売上高を前年同期比7%増と予測。期中に新規出店を行わなかったことやテナント営業権料の横ばい推移を理由に、既存店売り上げ伸び率についても同水準を見込んでいる。地域別では香港、本土の既存店売り上げ伸び率がいずれも前年同期比7%になると予想。本土では上海で2%にとどまる半面、大連では9%、蘇州では20%に達する見通しを示した。同期の営業利益率については業務レバレッジの点から17.4%へ0.2ポイントの改善を予想しているが、財務費用の増大を受け、純利益率は13.3%へ0.8ポイント低下するとの見方。中間期のコア純利益は前年同期比1%増の8億7900万HKドルになると予測している。

また、本土での下期の既存店売り上げ伸び率については、消費者心理の改善がさほど見込めない中、上期とほぼ同水準になると予想。一方、香港に関しては前年同期実績の低さから(12年上期に12%増、下期に5%増)、下期に前年同期比9%に上向くとみている。コスト面では瀋陽店の9-10月の開業に伴う営業損失3000万HKドルの発生を見込みながらも、上海閘北プロジェクト関連の金利5000万HKドル相当の資産計上で財務費用が縮小すると予測。下期の売上高、コア純利益が前年同期比10%、17%増加するとみている。

同社は瀋陽店を含む面積46万平方メートル相当の店舗資産に加え、上海閘北に延べ床面積換算で27万平方メートルの土地使用権を保有する。BOCIはこうした資産の市場価値が305億HKドル(1株当たり18.5HKドル)に上ると推定し、同社の1株当たり予想NAV(純資産価値)を18.1HKドルに設定。現在株価が予想NAVを13%下回る水準にあるとし、同社資産が過小評価されているとの見方を示した。

一方、同社の潜在的なリスク要因として瀋陽店の初期損失が上振れる可能性、小売りセクター全体に対する評価が下向く可能性に言及しながらも、目標株価を14年予想PERで13.8倍の水準に設定。株価の先行きに対する見方を強気に引き上げている。