SUV販売が8割増ペース、相次ぐ新型車投入で大幅成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02333 長城汽車(グレートウォール・モーター) 33.40 HKD
(07/03現在)
 株価
 企業情報
 チャート

長城汽車は傑出した収益性を誇り、業界基準とも言える有力自主ブランド車(国内の独自開発車種)メーカー。同社は向こう2-3年間、研究開発とイノベーションを通じてSUV車開発に照準を合わせるとともに、ピックアップトラックやファミリータイプ・セダン分野での圧倒的な強みを維持する方針。BOCIはSUVに焦点を当てた中期戦略の下、同社が大幅成長を持続すると見ている。特にH2、H8など、新型モデルの相次ぐ発表を予定している2014年には、SUV販売台数が50万の大台を超える可能性が高いとし、同社株価に対する強気見通しを継続している。

同社の1-5月の販売台数は前年同期比34.2%増の31万917台(卸売りベース)。中でもSUV車の販売台数が同78.8%の伸びを記録した。ほかにセダン車が同13%増。一方、ピックアップトラックは輸出不振が響き、同3.8%減少した。

BOCIは第2四半期の販売台数が前期をやや上回ると予想。Haval Hシリーズの比重拡大が製品構成比の改善を支える見通しを示した。第2四半期の利益についても前期を上回るとみて、13年上期に前年同期比およそ60%の増益を見込んでいる。

また、7-8月に予定される生産力拡大を受け、H6モデルの月間販売台数は従来を3000-5000台上回る1万5000-1万6000台に膨らむ見通し。これに伴い、下期の販売台数は上期を上回る可能性が高い。

2014年にはSUV車の投入が相次ぐ見込み。まずは13年後半と14年初めに、それぞれH2、H8のニューモデルを発表する予定。さらに次世代型H5と新型H7モデルを投入する計画とされている。BOCIはH2およびH8の販売台数が14年に10万台、5万台の幅で増加するとみて、SUV車販売の伸びが続くと予想。また、予想通り、あるいは予想を超えるH8の売れ行きが、製品構成比の向上や利益上触れにつながる可能性を指摘している。

一方、BOCIによれば、同社の潜在的なリスク要因は、輸出市場を取り巻く不透明感、景気減速下でのセダン車販売の伸び悩み、新型車発表の遅れなど。

BOCIは2013-15年の予想EPSを2.58元、3.38元、4.22元に据え置き、現在株価が13年予想PER10.2倍の水準にあると指摘。目標株価を同PER13倍の水準に上方修正するとともに、株価に対する強気の見通しを継続している。