13年の通期成約目標は達成可能、新規プロジェクトの分譲開始で下期に挽回へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03333 恒大地産集団有限公司(エバーグラン・リアルエステート) 2.84 HKD
(06/28現在)
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恒大地産集団の1-5月の物件成約額は2013年通期目標の34%と、同業銘柄を下回る達成率にとどまった。ただ、6月の新規プロジェクトの分譲を受け、BOCIは上期の成約額が440億元に達すると予想。また、下期には商業物件や駐車場を含む新規プロジェクト48件の分譲が始まり、通期目標1000億元の達成を支えるとみている。一方、同社が年初から積極的に負債を圧縮する中、純負債比率が期末に60%まで低下すると予想。現在株価が1株当たり予想NAV(純資産価値)を71%下回る水準にあることに言及し、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。

1-5月の物件成約額は前年同期比27.5%増の340億元。通期目標の達成率は相対的に低水準にとどまったが、下期には新規プロジェクト48件の分譲が始まる見込み。上期にすでに売り出していた192件と合わせ、分譲対象物件が大幅に拡大する見通しとなった。また、年内には総額100億-200億元規模の商業物件および駐車場を売り出す計画であり、BOCIはこれが住宅市況の減速リスクをカバーするとの見方。通期目標の達成は可能とし、1000億1700万元との予測値を明らかにしている(前年実績は923億2000万元)。

また、通期目標の達成に伴い、期末には営業キャッシュフローがプラスに転じると予想。第三者割当などを含む積極的な負債圧縮に加え、下期にはデットファイナンス(借入れや起債)の長期化を進めるとみて、これまでよりバランスシートの健全性が高まるとみている。さらに、内部費用の管理強化に向け、経営陣が8つの手法を導入したことに言及し、資金調達難に対処するための態勢を整えたとの見方。経営陣はこの先、手元現金が230億元を下回ることはないとの見通しを明らかにしており、BOCIは短期的な資金調達市場の不透明感による影響を和らげるため、十分な流動性を確保できると受け止めている。

同社の現在株価はBOCIが示した2013年予想NAVに対して71%のディスカウント水準にあり、これは10年当時に記録した73.2%に迫る数字となっている。13年予想PBR(株価純資産倍率)、予想PERはそれぞれ4.3倍、0.7倍。BOCIは現在株価が低水準にあると指摘した上で、下期の成約状況の回復やキャッシュフローリスクの軽減を予想し、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。