13年下期以降に利益率改善へ、東北部小売事業の赤字縮小とビール事業の堅調を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00291 華潤創業(チャイナ・リソーシズ・エンタープライズ) 23.15 HKD
(06/26現在)
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BOCIは中国東北部でリサーチを実施した結果、華潤創業の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気に引き上げた。同社が新規参入した東北部での小売事業がこの先、順調に採算化に向かう確信を強めたとし、同地域での赤字縮小が小売部門の利益率改善に寄与するとの見方。また、ビール製造事業については業界最大手としての地位の強化や製品構成の高付加価値を理由に、長期的な利益率の向上を予想している。

BOCIによると、東北部の小売事業の赤字は今後縮小する見通し。同地域の既存店売上高は2012年に前年比3.5%落ち込んだ後、13年第1四半期に前年同期比15%の伸びを達成した。ブランド認知度の向上やサプライヤーとの関係強化、製品構成の改善が背景。新たな経営陣の優れた執行力の下、新店舗の経営効率も改善したという。BOCIはこうした点から、東北部における純損失が13年、14年、15年に前年比18%、23%、49%縮小するとみている。一方、すでに採算化を達成している事業エリアについては、13年のコア利益が前年比4%減少すると予想し、その理由として政府新指導部の「反汚職」キャンペーンや政府機関による購買状況の減速を指摘した。ただ、14-15年には正常化し、8%の伸びを確保するとの見方。また、小売部門全体の純利益率については13年に前年並みにとどまった後、14年、15年に上向くとみている。

一方、ビール事業について、BOCIは長期的な利益率向上を予測している。同社は特に遼寧省に強みを持ち、同省におけるシェアは70%。12年の1キロリットル当たりの推定営業利益は国内市場全体では180元(シェア22%)で、遼寧省では最大800元、四川省・重慶市では最大600元(地域シェア45-45%)。広東省では買収計画を明らかにした金威ビール集団を除いて最大30元(同7%)。BOCIによると、遼寧省における独占的地位が販売価格の高め設定や広告宣伝効果の押し上げにつながる見通しという。

東北部での赤字縮小に伴う利益率改善見通しから、BOCIは小売部門の14年、15年の予想コア利益をそれぞれ23%、44%上方修正。同社全体の予想純利益を6%、11%引き上げた。13年については4-5月のビールの売れ行き鈍化を理由に、予想純利益を2%下方修正した。

BOCIは潜在的なリスク要因として、13年上期の業績低迷や景気不透明感などを指摘しながらも、現在株価が12カ月予想PERで29.6倍と、過去3年の安値水準(28.4倍)に接近していると指摘。SOTP(Sum of the Parts)方式に基づく目標株価を14年予想PER29.2倍の水準に引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを明らかにしている。