13年3月本決算は市場予想通り、国内のIT支出増で利益成長加速に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00861 神州数碼控股有限公司(デジタル・チャイナ) 10.26 HKD
(06/19現在)
 株価
 企業情報
 チャート

デジタル・チャイナの2013年3月本決算は売上高が前年比4.52%増の734億9900万HKドル、純利益が同9.80%増の13億6700万HKドルと、ほぼ市場予想の範囲内だった。BOCIは今後の国内IT支出の伸びを見込み、13年7-12月の利益成長回復を予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

事業別に見ると、IT製品販売部門の業績が回復傾向にあり、13年1-3月期の部門売上高は前年同期比横ばいながらも、前四半期比では3.5%増。旧式OSを搭載したパソコン在庫の処理を完了したことで、1-3月期には粗利益率が3.51%(前四半期3.33%)に上向いた。一方、ITシステム部門の売上高は前年同期比1.5%減。季節要因を背景に前四半期比では32%減少したが、粗利益率は11.01%(前四半期9.51%)へやや上向いた。また、ITサービス部門の1-3月期売上高は同じく季節要因で前四半期比19%減。サプライチェーン部門の売上高は電子商取引ブームを受け、前年同期比30%増、前四半期比でも17%増加した。このほか、通期の一般管理費の対収入比は前年の5.85%から5.17%に改善している。BOCIによると、中国政府や国内企業の多くは下期に設備投資を本格化させる傾向が強く、この先年末にかけてIT支出が回復する見込み。同社の利益成長ペースも回復する見通しという。

中国の住宅都市農村建設部(MOHURD)は昨年12月、「スマート都市」試験プロジェクトを正式に始動させた。プロジェクトの第1弾は90都市が対象で、3-5年間の試験期間が終了した後、MOHURDはその成果を評価するとともに対象都市をランク付けする。このプロジェクトには国家開発銀行も協力しており、2016年までに総額800億元弱を投資する計画だ。また、MOHURDは5月、各省市に対し、同プロジェクトの試験都市として各2都市を候補に上げるよう要請しており、その数は合計約60となる。これは「プロジェクト対象都市の拡大を示すサイン」とみられ、システムインテグレーターの追い風となる見通し。デジタル・チャイナはIT製品およびソリューション・ベンダーの国内最大手であり、プロジェクト対象都市の拡大による恩恵が期待できるという。なお、BOCIによれば、スマート都市プロジェクトと連動したIT支出は年間1000億元を上回るとみられ、国内IT市場全体の伸びは向こう2-3年にわたって年率平均15%に加速する見込み。中国ではハードウェアの販売伸び率が減速する半面、サービスおよびソフト市場は依然成長余力が大きい。

同社のヒストリカルPERは5年平均で9.5倍、3年平均で10.7倍。これに対し、ブルームバーグのコンセンサス予想に基づく現在株価の予想PERは7.1倍。BOCIは同社が明らかに過小評価されていると指摘した上で、目標株価を14年予想PER10倍の水準に据え置き、先行きに対する強気見通しを継続している。