円安で利益見通し上方修正、国内トラック市場の回復傾向も追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01122 慶鈴汽車(チンリン・モーターズ) 2.30 HKD
(05/30現在)
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中国は今も主要自動車部品の調達を日本からの輸入に頼る部分が大きく、BOCIは円安による恩恵が大きい銘柄の一つとして慶鈴汽車を挙げている。BOCIのセンシティビティー分析によれば、人民元の対円レートが1%上昇するたびに、同社利益は2.5%膨らむとの結果が示されたという(その他要因に変化はないと仮定)。また、中国国内の軽トラック市場について、BOCIは2013年に緩やかな回復傾向を示すと予想。現在株価がかなり低水準にあると指摘した上で、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

日本円の対人民元相場の下落率は、過去5カ月間でおよそ20%に達した。一方、中国汽車工業協会によれば、中国国内のトラック販売台数は13年1-4月に前年同期比2%増。12年通年に前年比7%の落ち込みを示した後、小幅のプラス成長に転じた。

BOCIは主に円安を理由に、12年通期に12.5%だった粗利益率が、13年には14.8%に上向くとみている。また、バランスシートも健全性を維持すると予測している。同社株価が2.30HKドル(5月29日終値)であるのに対し、12年末時点の純現金・預金は1株当たり1.55元(1.96HKドル)だった。

BOCIは同社の潜在的なリスク要因として、日本円の対人民元相場の反転上昇や予想以上の国内景気の減速を挙げながらも、過去5カ月間の円安を受けて13年の利益見通しを21%増額修正した。また、現在株価の13年予想PBR(株価純資産倍率)が0.6倍にとどまる上に、13年予想配当利回りが5.5%に達する点を指摘。目標株価を引き上げるとともに、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。