【今日のまとめ】

  • シェイクシャックは素晴らしい既存店売上比較パフォーマンスを示した
  • ハビット・レストランツは予想に一致する決算を出した
  • マクドナルドの「オールデイ・ブレックファスト」は息の長い人気メニューになる
  • レストラン・ブランズ・インターナショナルの決算は、まちまちだった
  • ジャック・イン・ザ・ボックスは予想を上回る決算だった

第1四半期決算が出揃った

ハンバーガー・チェーン各社の第1四半期決算が、ほぼ出揃いました。そこで今回はそれらの企業の決算を解説したいと思います。

シェイクシャック

シェイクシャック(ティッカーシンボル:SHAK)の第1四半期決算は良い内容でした。日本第一号店も立派に貢献しました。

EPSは予想5¢に対し8¢でした。売上高は予想5,216万ドルに対し5,420万ドルでした。売上高成長率は前年比+43.4%でした。

注目された既存店売上比較はガイダンス+2.5%~3.0%に対し、+9.9%でした。

営業利益マージンは28.2%でした。食材コストは去年が売上高の30.5%だったのに対し、今期は28.8%に下がりました。一方人件費率は去年と同じ25.2%でした。

新製品としては「チキン・シャック」を段階的に導入しました。これまでのところ来店客の反応は良好です。

3月にオープンした、西海岸第1号店舗であるウエスト・ハリウッドでは「ロードサイド・ダブル」という、この店舗だけのメニューが好評でした。なおウエスト・ハリウッドの新規開店は過去最高の成績でした。

同社は中東での店舗数が多いですが、産油国のショッピングモール内の店舗に関しては、このところの原油価格の低迷に起因する不景気で、来店客の減少が見られました。

日本では、外苑いちょう並木の第1号店に続き、恵比須の第2号店がオープンしました。

今年中に韓国でも第1号店をオープンする予定です。

今年の出店計画ですが、米国内では16店舗を予定しています。これまでの予定は13店舗でしたので、出店計画は加速しています。

海外はライセンス・パートナーによる出店となりますが、今年は7店舗計画されています。

2016年売上高は予想2.42億ドルに対し、新ガイダンス2.45~2.49億ドルが提示されました。また既存店売上比較ガイダンスは、これまでの+2.5~3%から+4~5%に引上げられました。

ハビット・レストランツ

ハビット・レストランツ(ティッカーシンボル:HABT)の第1四半期決算は良い内容でした。

EPSは予想9¢に対し10¢でした。売上高は予想6,745万ドルに対し6,700万ドルでした。売上高成長率は前年比+22.7%でした。>

既存店売上比較は+2.0%でした。これは49期連続のプラスでした。

なお既存店売上比較の内容を分解すると、来店客数は+4.6%だったのに対し、平均販売価格は-2.6%でした。

この平均販売価格の下落は「チャー・クラブ・メンバー」と銘打ったキャンペーンを行い、新しくこのメンバーシップ・プログラムに参加した来店客には1個のハンバーガーを無料にするというプロモーションを行ったことによります。従って値下げプレッシャーがあるというわけではありません。

なおライバル企業の中には、値引きにより来店客を増やそうと試みている業者が存在するそうです。

今期中、同社は3つの店舗をオープンしました。これで自社店舗は140店舗、フランチャイズは5店舗になりました。

同社はこれまでカリフォルニアなど西海岸を中心に展開してきました。今期から、フロリダ、ニュージャージー、ヴァージニアの各州に進出しています。これらのロケーションで新規オープンした店舗の営業成績は、計画通りでした。

今後の新規出店に関しては、2割程度を東海岸にする計画です。

カリフォルニア州などにおける最低賃金引上げに関しては、今後5~6年で段階的に引き上げられるため、それに対応する時間は十分にあるとしています。

2016年の売上高は予想2.88億ドルに対し、新ガイダンス2.86~2.9億ドルが提示されました。既存店売上比較は+3.0%を見込んでいます。またレストラン・マージンは20.6~21.1%を見込んでいます。今年は通年で30から32店舗の自社店舗と6つのフランチャイズ店舗をオープンする計画です。

マクドナルド

マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)の第1四半期決算は良い内容でした。

EPSは予想$1.17に対し$1.23でした。売上高は予想58.2億ドルに対し59億ドルでした。既存店売上比較は予想+4.5%に対し+6.2%でした。米国内の既存店売上比較は+5.4%でした。

前期に引き続き「オールデイ・ブレックファスト」が寄与したことに加え、バリューを強調した「マクピック2」の導入が成功しました。「オールデイ・ブレックファスト」の人気は、まだまだ衰えを見せていません。これは息の長い人気メニューになると同社では見ています。

メニュー価格は+3%でした。その一方でコモディティ・コストは-3%でした。

海外主要国の既存店売上比較は+5.2%でした。とりわけ英国、オーストラリア、カナダが強かったです。これらの国でのメニュー価格は+2%~3%、コモディティ・コストは±0%でした。

海外新興国の既存店売上比較は+3.6%でした。中国は+7%でした。

これまで低迷が著しかった日本の今期の既存店売上比較は+27%でした。

マクドナルドは来店客の満足度を指数化して計測しています。それによると満足度はUPしています。

今後の事業展開としては、自社店舗をどんどん譲渡・整理し、店舗の95%をフランチャイズ化することで「資産を持たない経営」を進めてゆく方針です。すでに去年、700店舗をフランチャイズに譲渡しました。

中国、韓国、香港の店舗の7割は自社店舗ですが、今後はこれらをどんどんフランチャイズに転換してゆく計画です。

レストラン・ブランズ・インターナショナル

レストラン・ブランズ・インターナショナル(ティッカーシンボル:QSR)の第1四半期決算は、まちまちな内容でした。

EPSは予想22¢に対し30¢でした。売上高は予想9.28億ドルに対し9.18億ドルでした。

ティム・ホートンズ部門の既存店売上比較は+5.6%でした。バーガー・キング部門の既存店売上比較は+4.6%でした。

今期全部で30の店舗をオープンしました。

3月31日現在での負債は81.2億ドル、純負債対修正EBITDA比率は4.7倍でした。

ジャック・イン・ザ・ボックス

このところ少し業績を落としていたジャック・イン・ザ・ボックス(ティッカーシンボル:JACK)の第2四半期(3月期)決算は、予想を上回る内容でした。

EPSは予想70¢に対し85¢、売上高は予想3.6億ドルに対し3.61億ドルでした。売上高成長率は前年比+0.9%でした。

ジャック・イン・ザ・ボックス部門の既存店売上比較は±0%でした。メキシコ料理のファースト・カジュアル・レストランである「QDOBA」の既存店売上比較は+2.1%でした。

第3四半期のジャック・イン・ザ・ボックス部門の既存店売上比較ガイダンスは-2.0%~±0%が示されています。因みに去年の第3四半期は+5.5%でした。「QDOBA」の既存店売上比較ガイダンスは-1.0%~+1.0%が示されました。