12年本決算は30%減益、コンクリート部門が今後の成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03323 中国建材股フン有限公司(チャイナ・ナショナル・ビルディング・マテリアル) 10.96 HKD
(03/25現在)
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中国建材の2012年12月本決算は、純利益が前年比30.4%減の54億元(EPS1.03元)と、BOCIの予想を2%上回った。売上高は同9%増加したものの、粗利益率は前年を3.5ポイント下回る23.1%(下期は前期比2.3ポイント上昇の24.1%)。コンクリート部門の寄与で、通期の粗利益はBOCI予想を7%上回ったが、販売管理費および財務費用の増大でほぼ帳消しとなった。営業利益は前年比2%増の205億元。BOCIはコンクリート部門の成長力に期待しながらも、純負債比率の上昇を懸念。財務費用に関する想定値の増額修正を反映させる形で目標株価を引き下げる半面、株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。

12年通期にはコンクリート部門の粗利益率が29%の高水準に達した(BOCI予想は24%)。積極的な設備増強計画を背景に、同部門は今後急成長を遂げる可能性が高い。BOCIによれば、年産能力は13年に前年比17%増の3億5000万立方メートルに拡大し、販売量は156%増の7,900万立方メートルに上る見込み。部門営業利益は13年に114%増の45億元に達し、同社全体に占める割合は12年の8%から10%超に上向く見通しという。

一方、セメント部門は11年12月、西南セメントの設立を通じて南西部市場に進出し、このエリアでの年産能力は12年末に1億5000万トン(前年5000万トン)に拡大した。南西部市場での同社シェアは11年に13%だったが、BOCIは12年に35%に上向いたとの見方だ。同市場は競争環境が相対的に緩やかで、西南セメントの1トン当たり粗利益は11年の41元から12年末には62元に上昇。BOCIによれば、13年末には71元へ、さらに上向く見通しという。また、セメント需要は東部および南西部で回復傾向にあり、浙江省(東部)における平均販売価格は3月半ば以降、1トン当たり20元の幅で上昇した。

12年本決算に計上した政府補助金は前年比98%増の23億元と、BOCI予想を上回る水準。同期売上高の3%を占めた(前年は1%)。

12年には財務費用が前年比69%増の65億元に膨らみ、支払金利は74%増の71億元。純負債比率は過去最高となる304%(前年205%)に達した。これは主に西南セメントやコンクリート部門を対象とした積極的な設備増強によるもの。BOCIは同社の投資戦略を反映させるとともに営業キャッシュフローの改善を見込み、13年の純負債比率が273%となる見通しを示した。なお、同社は今後、新たな合弁事業や100%未満の株式買収などを進める方針。BOCIはこうした戦略を前向きに評価しつつも、支払金利に関しては慎重スタンスを取り、財務費用に関する想定値を増額修正。13年に前年比21%増の79億元を見込んでいる。