12年本決算で367%の大幅増益、13年には燃料コスト低減率が縮小へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00902 華能国際電力(ホアネン・パワー・インターナショナル) 7.94 HKD
(03/22現在)
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華能国際電力の2012年12月本決算は、EPSが前年比367%増の0.39元と、市場コンセンサス予想から9%、BOCIの予想から2%下振れた。2013年も石炭価格の低調推移が見込まれるものの、BOCIはこの点の楽観見通しはすでに株価に反映されたとの見方。13年の石炭長期契約価格が前年の契約価格を2%(1トン当たり10元)上回るとみて、単位当たり燃料コストの縮小率がわずか3%にとどまると予測している。また、シンガポールの電力大手トゥアス・パワー(08年買収)の採算性が通常レベルに戻る見通しや、グループ傘下の石炭発電施設の23%が依然損失を計上していることなどに言及した上で、同社株価の先行きに対して慎重見通しを明らかにしている。

12年通期の売上高は前年比0.41%増の1340億元。市場予想を1.7%下回ったものの、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。純利益は同367%増の55億元。市場予想およびBOCI予想からそれぞれ8.4%、1.6%下振れた。

通期の単位燃料コストは前年比7.6%減少し、BOCI予想の6%を超える下げ幅となった。ただ、石炭消費率はわずか0.4%の縮小にとどまり、業界大手と比べて営業効率が低水準にあることをうかがわせた。BOCIは13年について、単位燃料コストの低減率が前年比3%にとどまるとみている。

経営陣は13年の設備稼働時間数および発電量について、それぞれ5070時間、320TWh(テラワット時)を見込んでいる。これはBOCIの予想を下回る数字。前年実績はそれぞれ5114時間、302 TWhだった。

トゥアス・パワーの通期利益は前年比18.8%減の10億元。市場シェアの低下と人民元高が響く形となった。経営陣はシンガポール市場の競争の厳しさを指摘しながらも、トゥアス・パワーの採算性が今後、ROE(株主資本利益率)10-12%程度の正常レベルを回復するとみている。

一方、13-14年の設備投資はそれぞれ211億元、175億元となる見通し。12年(156億元)比での増大が見込まれている。