連休明けとなった先週の国内株市場ですが、日経平均は週を通じて上値が切り下がる展開が目立ち、週末となる1月13日(金)の終値は19,287円でした。また、この日はオプション取引とミニ先物取引の清算日(SQ)でしたが、SQ値が19,182円でしたので、日経平均の終値はこのSQ値を上回っています。

(図1)日経平均(日足)の動き(2017年1月13日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて、足元の状況を上の図1で確認してみます。

先週、日経平均の上値を抑えたのは5日移動平均線でした。米国で初となるトランプ氏の記者会見が11日に控えていたこともあり、様子見ムードが強かったと見ることができます。

その記者会見では、市場の最大関心事である同氏の経済政策について深掘りした発言がなかったこと、マスコミとの関係性に不安を残す印象になったことで、12日(木)の取引は売りに押され、25日移動平均線を下抜けてしまいました。日経平均が25日移動平均線を下抜けするのは、昨年11月9日以来ですので、米大統領選挙後はじめてということになります。

そのためか、いわゆる「トランプラリー」が一服したと見る向きも増えてきました。とはいえ、翌13日(金)は再び25日移動平均線を上抜けしており、まだ相場が崩れたというまでには至っていません。

今後のシナリオとしては、①上昇基調が継続し、直近高値(1月5日の19,615円)を超えて上値追い、②ダブルトップを形成して調整局面入り、③直近高値をトライするが、超えられずにトリプルトップを形成して調整入りの3つが考えられます。今週は①と②を見極める展開になると思われます。

②のタブルトップが形成されたかどうかを判断するポイントは、「ネックライン」の下抜けです。ネックラインとなるのは、昨年の大納会である12月30日の安値18,991円で、ほぼ節目の19,000円水準でもあります。先週のトランプ氏の記者会見に続き、今週末(20日)は正式に同氏が大統領に就任する予定ですので、今週も様子見が継続する可能性が高そうです。

強気なのか弱気なのか、いまいちハッキリしない展開が想定されるため、前回も紹介しました

「(線形)回帰トレンド」で株価位置を整理していきたいと思います(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)の回帰トレンド(2016年6月〜)

(出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成)

今回も基準とするのは、最後に日経平均が15,000円割れを見せた昨年の6月です。

回帰トレンドの説明は前回(第142回)に譲りますが、今回は株価が中心線よりも上にあるか、下にあるかで見ていきます。使い方は経済指標のPMIが節目の50を境に景況感の良し悪しを見ていくのと同じ感覚です。株価が中心線よりも上にあれば強め、下にあれば弱めというわけです。足元の日経平均は中心線近くに位置しており、今週の動きが中期的なムードに影響を与えそうなことがわかります。

そこで、最後に週足ベースでも確認してみます。登場するのはお馴染みの平均足とMACDの組み合わせです。

(図3)日経平均(週足)の平均足とMACD

(出所:MARKETSPEED for Macを元に筆者作成)

先週の平均足は十字線に見えますが、かろうじて陽線です(始値が19,297円、終値が19,314円)。そのため、今週の平均足は先週の平均足の実体の半分である19,305円でスタートすることになり、今週末の平均足がこの19,305円以上を維持して陽線で終われるかが注目されます。

また、下段のMACDもシグナルとのクロスが意識されそうな格好でもあるため、今週の動き次第では中期的にも調整色が濃くなる可能性に注意が必要かもしれません。