今週の国内株式市場ですが、日経平均は順調に値を伸ばす展開が目立っています。10月6日(木)の終値は16,899円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(その1)(2016年10月6日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の状況を上の図1で確認します。

日経平均は今週に入ってから4連騰を見せ、25日移動平均線と75日移動平均線に挟まれたレンジから上抜けてきました。6日(木)の取引終了時点で、節目の17,000円台を射程圏内に捉える水準まできています。

実際に、この日の高値は16,971円と、「あとちょっと」の場面もありましたが、連騰の短期的な過熱感、もしくは週末の米雇用統計を控えた様子見、国内連休を前にした手控えなどによって、引けにかけて上昇幅が縮小しました。

また、7月以降、日経平均が17,000円台をトライするのは今回で4回目ということもあってか、どこか慎重さも覗かせる印象です。連騰を見せている割には、東証1部の売買代金が2兆円に届かず、6日(木)のローソク足もやや上ヒゲの長い陰線になっています。

(図2)日経平均(日足)の動き(その2)(2016年10月6日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

また、上の図2でトレンドの状況を整理してみます。

前回も紹介しましたが、日経平均は7月上旬より、下値と上値が切り上がっていく、短期の上昇トレンドを辿っていましたが、9月に入ってトレンドラインの下限を下抜けてしまったことで、短期の上昇トレンドが終了しました。

その後、再びトレンドライン下限を試すものの、上抜けしきれず、再び下落に転じる「リターン・ムーブ」の動きとなり、下げが加速する恐れもあったのですが、75日移動平均線がサポートとして持ち堪え、足元の相場上昇につながり、そして、トレンドライン下限に再チャレンジという状況です。

このまま、トレンドライン下限を上抜け、9月5日の高値(17,156円)も超えてくれば、少し期間が長めの上昇トレンドを描く格好となります。トレンドの「バトン」をつなげられるかが目先のポイントになります。

ちなみに、TOPIXのチャートを見ますと、6日(木)の取引時間中に、9月5日の高値を超える場面を見せています(下の図3)。

(図3)TOPIX(日足)の動き(2016年10月6日取引終了後)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

チャートの形だけで判断するならば、決して悪くない状況と言えます。