今週の日経平均ですが、軟調な展開が続いています。9月15日(木)の終値は16,405円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年9月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて足元の状況を上の図1で確認します。

直近のローソク足に注目すると、陰線が続いていることが分かります。15日(木)の取引終了時点で6連続ですので、足元の相場基調の弱さが感じとれます。とりわけ、先週金曜日(9日)から今週火曜日(13日)にかけては「下放れ二本黒」と呼ばれる並びになっています。

これは、窓空けで下落した後に短い陰線が二本続くという形で、下落相場での売り乗せサインとされています。実際に、その後も下落基調が継続することになりましたが、ひとまず75日移動平均線をサポートに持ち堪えている状況です。少し遡った8月26日の時も75日線水準がサポートとして機能し、反発しました。

とはいえ、先ほどのローソク足の並びに加え、「三角保ち合い」をやや変則的に下抜けたと見れば、短期の下落トレンドが発生していると判断することもでき、このまま下落トレンドが加速してしまう可能性には注意が必要です。

このところ紹介することの多い、平均足とMACDを見ても、平均足の陰転および、MACDとシグナルのデッドクロスによって下落トレンド入りを示しています(下の図2)。

(図2)日経平均の平均足(日足)とMACD動き(2016年9月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

確かに下落トレンド中ではありますが、今のところシグナルの傾きが横ばいになっているため、その勢いはまだあまり強くないと見ることができます。ただし、MACDの傾きが出始めていることには注意が必要で、下落の勢いが増す可能性は残ります。

一方、週足ベースで平均足とMACDを見てみますと、図2の日足とは反対に、上昇トレンドが一応継続中になっています(図3)。平均足は陰転しているものの、MACDとシグナルはまだクロスしておらず、中期的にはまだ弱気に傾いていません。

(図3)日経平均の平均足(週足)とMACD動き(2016年9月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

また、再び日足ベースに話を戻して、ボリンジャーバンドでも見てみます(下の図4)。

(図4)日経平均(日足)とボリンジャーバンド(2016年9月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

日経平均は15日(木)の時点で-2σに位置しています。下げの勢いが強いのであれば、今後バンドの幅が-2σの線に沿いながら拡大し、トレンドが継続することになりますが、直近までのバンドの幅が1カ月近く一定で推移し、傾きも横ばいですので、市場のエネルギーが溜まっている印象がないため、ボリンジャーバンドでのトレンド判断はちょっと難しい状況です。

また、RSIでは、約22%台になっていて、売られ過ぎ感があります(下の図5)。

(図5)日経平均(日足)とRSI(2016年9月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

以上のように、足元のテクニカル指標では強弱の材料が入り混じっています。そのため、メインシナリオとしては、「目先の反発は期待できるものの、戻りが鈍ければ9月5日の高値が天井として意識され、再び下げが加速する」というのが想定されます。ポイントになるのは、戻りの強さになりますが、その目安としては、図1の25日移動平均線や、先週末と今週はじめにあけた「窓」埋め水準になります。その後は中期トレンドに影響を及ぼすかどうかが注目されることになりそうです。