大型連休直前の4月28日(木)、株式市場がお昼休みだった時間帯に、注目の日銀金融政策決定会合の結果が公表されました。詳細は他の分析記事等に譲りますが、現行の金融政策が維持され、期待されていた追加の金融緩和策は無かったという第一報を受けて、株式市場は下落で反応しました。

(図1)2016年4月28日の日経平均のTickチャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は、この日の日経平均のTickチャートです。前場は前日終値からプラス圏での推移となっていましたが、日銀会合の結果を受けた後場はガラリと様子が変わり、一気にマイナスに転じたことが分かります。結局この日の終値は16,666円で、前日比624円安で取引を終了しています。

また、日足チャートでも確認してみます。

(図2)日経平均(日足)と東証1部の売買高(2016年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

やはり、28日のローソク足(大陰線)が目立っています。とはいえ、25日と75日移動平均線がサポートとして機能していますし、売買高についても直近の中では多い方ですが、売りが殺到したと言えるほど突出して増えているわけでもないため、「追加緩和ありきの期待分が剥落して株価は下落したが、相場基調自体は崩れていない」というのが日銀会合後の初期反応と考えて良さそうです。今後は連休中の海外市場の動きや、国内企業の決算や業績見通し動向を待つことになります。

また、この日の値幅は920円でしたが、下の図3を見ていただいてもお分かりのように、日銀会合の結果公表日は値動きが大きくなることが多いです。

(図3)日銀金融政策決定会合の結果公表日の日経平均の動き

(図4)直近の日経平均(日足)のローソク足(2016年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

さらに、日銀会合の結果公表日の値動きをチャートで確認してみますと、25日移動平均線に絡んでいることが分かります。昨年12月と今年1月は、25日線が上値の抵抗線となっていましたが、今回はサポート(支持線)になっているため、今後も25日線が意識されることになりそうです。

この25日線ですが、微妙ながらも上向きになっています。一応、緩やかな上昇トレンドなのですが、傾きがない分、すぐに過熱感が意識されやすくなります。下の図5では、移動平均乖離線を示していますが、5%ほど上方向に乖離すると高値圏となって上値が重たくなります。一方、下値についてはこの25日線がサポートとして機能するかが注目ですが、多少下回る場面があっても心配ないと見ています。ただし、以前にも紹介しました「売り仕掛けのトレンドライン」を下回った時に、下げ足を早める可能性があり、注意が必要です。

(図5)日経平均(日足)と移動平均乖離線(25日)(2016年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足チャートで見ても、これまで通り26週移動平均線や52週移動平均線が上値の目処であることに変わりはありません(下の図6)。実際に今週も上値の抵抗線として機能しました。28日取引終了時点では26週線が17,621円、52週線が18,579円です。

(図6)日経平均(週足)の動き

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)