連休明けとなった今週の日経平均も17,000円を挟んだもみ合いが続いています。

(図1)日経平均(日足)の動きと東証1部出来高(2016年3月24日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は足元の状況です。3月24日(木)の日経平均終値は16,892円でした。冒頭でも触れたように、17,000円を挟んだ推移は先週とあまり変わっていません。2月安値を起点としたトレンドラインも意識されていると思われますが、ここに来てラインを下回る場面が増えています。

下値をトライする動きが出てもおかしくはないのですが、上向きとなった25日移動平均線がサポートとして機能しているようで、実際に下値は切り上がっていて、さらに売り込むにはエネルギーが必要な格好となっています。堅調と言えば堅調なのですが、売買代金も減少傾向となっているため、買い騰がる勢いもなく、結果として「動けない」と言った方が正しいのかもしれません。

こうした足元の膠着感は週足チャートでも確認できます。24日(木)取引終了時の週足ローソク足は前週の陰線にはらまれた「十字足」に近い形となっています。十字足は高値と安値の株価の振れ幅があっても、結局、終値が始値とあまり変わらない値動きを表しているため、迷いを示す線として判断されます(下の図2)。

(図2)日経平均(週足)の動き(2016年3月24日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

日経平均17,000円水準を中心とした上下300円ほどの範囲内でのもみ合いは、気が付けば3月入りしてからずっと続いていますが、この水準は今後の展開待ちの様子見としては、「居心地」が良いようです。あらためて、下の図3で日経平均の値動きを確認してみます。

(図3)日経平均(日足)の動き その2(2016年3月24日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

図3で日経平均が高値をつけたのは、昨年2015年8月11日の20,946円です。そこから今年2016年2月12日の安値である14,865円まで、6,080円ほど下落したわけですが、その「3分の1戻し」の水準が大体16,900円になります。ちなみに「半値戻し」は約17,900円で、ちょうど2月あたまにつけた戻り高値の水準です。「3分の1戻し辺りで日柄調整と値固めをしつつ、今後相場のムードが改善すれば半値戻しをうかがっている」ように見えます。

今後のさらなる上昇のポイントとなるのが、外国人投資家の買いです。下の図4は東証が発表している投資主体別売買動向の外国人の日本株の買い越し・売り越し額の推移を表したものです。

(図4)外国人の買い越し・売り越し額の推移(2015年8月~2016年3月第2週)

(出所:東証公表データを元に筆者作成)

投資主体別売買動向は、前週分が翌週の木曜日に発表されますが、今週発表分(つまり2016年3月14日~18日分)については、月曜日が祝日だったため、25日(金)に発表されます。現時点で揃っているのは、3月7日~11日週の分までですが、外国人は10週連続で売り越しとなっているほか、3月7日~11日週の売り越し額は昨年9月以来の1兆円を超えています。つまり、2月12日を底とした日経平均の反発局面で外国人は買っていないわけです。そのため、今週発表分で外国人の売り越し額が減少する、もしくは買い越しに転じるなどの変化があれば、相場のムードを改善させると思われます。

なお、外国人の買いによる株価の上昇は円安を伴うことが一般的です。日本株買いによって円ベースの保有資産が増えるわけですが、為替リスクをヘッジするために先物等で円の売りポジションをとるのがその理由です。下の図5は、日経平均と米ドル/円の値動きを上下に並べて比較したものです。昨年の秋口の日経平均の上昇局面では株高と円安が同時進行でしたが、直近までの上昇については、米ドル/円はあまり円安になっていないことがわかります。

(図5)日経平均と為替(米ドル/円)の値動き

(出所:楽天証券WEBサイトのチャートを元に筆者作成)