今週の国内株市場ですが、膠着感が漂う展開が続いています。カレンダー的には先週の米FOMCや日銀会合といったビッグイベントを通過し、本来ならば年末相場入りで「掉尾の一振」の株高が期待されるところですが、日経平均の動きからは、どちらかというとモヤモヤしたムードが感じられます。12月24日(木)の終値は18,789円でした。この日の始値は19,071円で節目の19,000円台を回復してスタートしたのですが、引けにかけて維持できなかったことになります。また、この19,071円はこの日の高値でもありました。いわゆる「寄り付き天井」と呼ばれる線です。

(図1)日経平均(日足)の動き① (2015年12月24日の取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて足元の日経平均の動きを上の図1で確認してみます。まず目に飛び込んでくるのが、先週末(12月18日)のローソク足です。長い上ヒゲと長い実体の陰線になっています。この日の午後に公表された日銀会合での「補完措置」の一報を受けて乱高下した動きを示しているわけですが、結果的に、米FOMC後となる前日(17日)の取引で空けた窓を埋める格好となりました。この18日のローソク足がインパクトのある線であるが故にその後の値動きにも重石として影響を及ぼしている印象です。

とはいえ、前回紹介した値動きの想定範囲は崩れていません。下の図2は少し期間の長い日経平均のチャートに、トレンドライン等の補助線を引いたものです。

(図2)日経平均(日足)の動き② (2015年12月24日の取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

前回は、9月29日の安値を起点としたトレンドラインが①から②にシフトし、このトレンドライン②をサポートにした戻りと、高値を結んだ線が上値の抵抗線になる可能性があり、この2本の線の範囲内での値動きが想定シナリオになるとしましたが、18日以降のローソク足の並びは一応まだこの範囲内に収まっていますので、積極的に上値は終えないものの、年末までの堅調な相場展開は見込めそうです。となると、「どこまで値を戻せるか」が焦点になりますが、足元の地合いがあまり良くないため、ひとまずは25日移動平均線(19,500円弱)あたりが目標となりそうです。

また、「掉尾の一振」についてですが、一般的には権利付最終日までが軟調で、権利落ち日以降に株価が上がりやすいと言われています。権利付最終日までは節税対策の売りなどに押され、売りが一巡する権利落ち日後になると買いを入れやすいからとされています。2015年の権利落ち日は28日(来週の月曜日)ですので、膠着感を払拭できる戻りに期待したいところです。

なお、大納会(30日)に、2015年相場の振り返りと2016年の展望についてのレポートを掲載する予定です。