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調整局面のカギを握る「裁定買い残」
土信田 雅之
テクニカル風林火山
テクニカルアナリストの土信田雅之が、マーケットスピードを用いたテクニカルな視点で国内株式市場の動向を読み解いていきます。

調整局面のカギを握る「裁定買い残」

2015/12/11
今週の日経平均は軟調な展開が続き、12月10日(木)の終値は19,046円となりました。先週までは「2万円台乗せ」が焦点だったことを踏まえると、19,000円割れが意識される水準まで…
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今週の日経平均は軟調な展開が続き、12月10日(木)の終値は19,046円となりました。先週までは「2万円台乗せ」が焦点だったことを踏まえると、19,000円割れが意識される水準まで下落しており、ムードが変わってしまった印象です。

(図1)日経平均(日足)の動き① (2015年12月10日の取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1で日経平均の値動きを確認してみますと、先週金曜日(4日)から陰線が続いているほか、5日移動平均線(MA)が25日移動平均線を下抜ける、いわゆる「デッドクロス」となっていますので、目先の調整に入ったと見て良さそうです。ではこの調整はどこまで続くのでしょうか?

先週木曜日(3日)の終値が19,939円でしたから、約1週間で日経平均は900円近く下落し、軽めの調整局面であれば、ある程度の値幅調整はこなしたことになります。であれば、節目の19,000円で踏みとどまるか、仮に下回ったとしても、75日移動平均線が次の下値の目処になります。

前回のレポートのタイトルは、「買い疲れ」と「粘り腰」でしたが、買い疲れの方が優勢となり、粘り腰が折れてしまった格好です。その状況を前回の振り返りも兼ねて下の図2で確認してみます。

(図2)日経平均(日足)の動き② (2015年12月10日の取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

前回のレポートでは、粘り腰が折れるかどうかは、窓①の下限(19,700円水準)がポイントとなり、ここを下方向に抜けると調整が加速する可能性があること、そして、その際の下値の目処は25日移動平均線や75日移動平均線、窓②の下限(約19,150円)の水準が目安になると書きましたが、実際に、窓①の下限を下抜けてから下落ピッチが早まり、25日移動平均線で踏みとどまる場面もありましたが、10日(木)の取引終了時では窓②の下限水準に位置しています。

ここで調整が終われば、トレンドライン②を描くことができ、この線をサポートにしながらの戻りが期待できます。ちなみに、トレンドライン②を延長していき、2万円台にぶつかるのは来年1月中旬頃ですので、年内の2万円台乗せは相場のムードが大きく好転しない限り難しいかもれません。

ただし、注意しなければならないのは、調整の深押しと長期化の可能性の方かもしれません。その理由は相場の需給要因です。下の図3は日経平均の週足と、株価指数先物と現物株の裁定取引に伴う現物株の買い残高(期近・期先合計)の推移を表したものです。

(図3)日経平均(週足)と裁定買い残高(金額:期近・期先合計)(2015年12月4日時点)

(出所:東証発表データを元に筆者作成)

裁定取引を一言で説明すると、「現物と先物を比較し、割高な方を売る一方で割安な方を買うことで利益をねらう取引手法」です。相場の先高感が強まると、先物の方が早く上昇する傾向があり、現物との価格差が生じます。その際に先物を売り、現物を買う裁定取引が活発化します。

今週9日(水)に東京証券取引所が発表した、裁定取引に伴う現物株の買い残高(期近・期先合計)は10週連続で増え、3.63兆円まで積みあがっています。これは今年6月以来の水準です。

あらためて上の図3を見てみますと、ここ数年は裁定買い残高が3.5兆円を超えるとピークを迎えることが多く、その後の株価も裁定買い残の減少に伴って下落するパターンが見られます。裁定買い残の解消売りが下落に勢いをもたらす可能性があり、足元で積み上がった裁定買い残がどのように減少していくかが注目されます。特に今回は、9月時点の残高(1.8兆円)から2カ月あまりで1.7兆円以上も急増しているだけに警戒が必要と言えます。

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