今週の日経平均ですが、10月22日(木)の終値は18,435円となりました。前日21日(水)の取引ではこれまで抜けそうで抜け切れなかった18,500円台を回復し、この日を境に相場のムード改善の兆しが見えてきたような感じです。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (10月22日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

日経平均の足元の動きを上の図1で辿って行きます。まずは、先週末(10月16日)のローソク足ですが、ほぼ「十字線(寄引同値線)」になっています。始値と終値がほぼ同じ値段で、相場の方向感が出ていなかったことになります。この日は結果的に前日比で上昇はしていましたが、今後は上下どちらに向かうのか迷いも生じていたことを意味します。

こうした迷いを反映してか、今週は19日(月)、20日(火)と陰線が連続する格好でのスタートとなりました。上値が切り下がっていたほか、売買の量も少なめだった一方、25日移動平均線がサポートとして機能しており、売り進められたわけではありませんが、様子見が強かったと思われます。そして冒頭でも触れた21日(水)の大幅上昇を迎えます。しかし、翌22日(木)は反落となり、18,500円台を維持できませんでした。しかも22日のローソク足は十字線に近い形です。そのため、目先の注目点は、図1では、9月29日の安値を起点とし、10月15日の安値を結んで描いたトレンドラインがありますが、このラインをサポートして維持できるかどうかになりそうです。逆に、下落に転じた場合は10月までの下落局面での戻り高値を結んだライン水準が下値の目処となりそうです。

また、日経平均が18,500円台を回復した21日(水)の取引をきっかけに、相場のムードが改善したと考えて良いのでしょうか?更なる上値トライの展開の可能性も含めて別のテクニカル指標でも確認して行きたいと思います。

(図2)日経平均のボリンジャーバンド(上段)とMACD(下段) (10月22日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2は日経平均のボリンジャーバンドとMACDです。まずは上段のボリンジャーバンドですが、直近の株価が+2σ(シグマ)付近に位置しています。図1のトレンドラインの起点と同様に、9月29日以降、-2σの水準から+2σ水準まで概ね順調に値を戻してきたと言えます。ただ、バンドが幅は一定で傾きも水平になっているため、株価が+2σで跳ね返されてレンジ相場入りのシナリオも見えてきます。その場合、再び-2σに向かうわけですが、急激に売り崩されるようなイメージは感じられません。

また、下段のMACDでは、2本の線(MACDとシグナル)が復調基調にあり、MACDの「0円」超えも視野に入っている状況です。MACDは「短期と中期の(平滑)移動平均の価格差」ですから、MACDのプラス転換は短期線が中期線を上抜いたゴールデンクロスを意味します。

あくまでも、見た目だけのざっくりとした判断ですが、どちらかと言えば相場のムードは上方向に向かいつつあると考えて良さそうです。ただし、特に強い買いムードや買いサインが出ているわけではないため、段階的に上値を探りながら上昇していく可能性がありそうです。

最後に段階的な上昇の目処はどこなのかを探ってみたいと思います。下の図3は日経平均と価格帯別売買高です。

(図3)日経平均と価格帯別売買高 (10月22日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

価格帯別売買高は言葉の通り、株価水準ごとの取引量を棒グラフで表したものです。あらためて上の図3を見ると、18,500円~19,500円の価格帯の棒グラフが閑散としているというか、少ない状況であることが分かります。つまり、過去においてこの価格帯での売買が少ないため、「値段が飛びやすいのでは?」と考えることができます。

18,500円~19,500円の価格帯で目立つ棒グラフは、18,700円、18,900円、19,000円、19,100円ですが、今後、18,500円から段階的に株価が上昇していった場合に、これらが目処として意識されやすい水準になる可能性がありそうです。