3連休空けとなった今週の日経平均は、18,000円台前半でのもみ合いという前週からの流れを引き継ぐ格好でスタートしたものの、10月14日(水)にはその節目の18,000円台を割れる急落を見せました。しかしながら、その翌日(15日)にはすぐさま反発するなど、イマイチ方向感が掴めない展開が続いています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (10月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて上の図1で日経平均の動きを見てみます。まずは、足元の14日(水)の下落後と、15日(木)の反発のローソク足です。冒頭でも述べた通り、14日(水)の下落で18,000円台の節目割れとなりましたが、同時に25日移動平均線も下抜けていましたので、14日(水)の取引終了時点では相場のムードはあまり良くなかったと言えます。それが翌15日(木)に持ち直し、早い段階で18,000円台と25日移動平均線の両方を回復したことは、相場の「堅調さ」を印象付けていると考えることができそうです。

その一方で、5日移動平均線が15日(木)の上値を押さえている(抵抗になっている)ことや、その5日移動平均線は、下落前に見せていた、陰線と陽線が順番に並ぶ、いわゆる「鯨幕相場」の状況下ではサポートだったことを踏まえると、上値の重たさも否めません。先月末の17,000円台割れを底にして順調に値を戻してきた日経平均ですが、18,000円超えのところで足踏みしている格好です。

とはいえ、テクニカル指標のRCI(Rank Correlation Index)を見ると、押し目買いを入れやすい状況と考えることもでき、確かに買い上がれないけども底固さが感じられ、目先の相場が崩れていくイメージは後退しているようです(下の図2)。

(図2)直近の日経平均(日足)とRCI (10月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

一般的にRCIは短期の線と中期の線で構成され、押し目買いの判断時に使われることが多い指標です。

まず、中期線に注目してみますと、9月中旬から上昇基調を辿っています。10月に入ってからは水準自体もマイナス圏からプラス圏に転じているため、かなり良い形となっています。このような中で、動きが激しい短期線が下落し、中期線のところで反発する直面が押し目買いのタイミングとされているのですが、15日(木)の取引時間中に安値(17,758円)をつけた時は、ちょうど押し目買いのサインが現れていました。

では、中期的にはどうなのでしょうか?週足チャートでも確認してみます。下の図3ですが、前回は日足で紹介しましたDMIです。

(図3)週足の日経平均(上段)とDMI(下段) (10月15日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足のDMIで3本の線(+DI、-DI、ADX)の位置関係を整理すると、まず、「-DI>+DI」となっていることや、相場の勢いを表すADXも上昇傾向にあることから、下落トレンドが継続中で、その勢いも弱まっていません。また、売買ポイントやトレンド転換のサインとなる「+DIと-DIのクロス」も近いうちに実現しそうにない状況です。

以上の様に、短期的な視点では堅調と言えそうですが、中期的な視点ではまだ下落ムードを引きずっているため、週足ベースでのムード改善の兆候が出るまでは、相場が思わぬ「脆さ」を露呈する可能性があり、本格的な戻りを期待した買いを入れるには注意を払う必要がありそうです。