今週の国内株市場は方向感を欠きながらも、日経平均の水準は比較的堅調を保っているといえます。連休を挟んだせいもあって、前回からあまり大きな変化は出ていませんが、とりあえず足元の日経平均の動きを確認してみます(下の図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (7月23日取引終了時点)

※下段は東証1部出来高

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

日経平均は週初の21日(火)に、20,800円台を回復する動きを見せましたが、その後は少し水準を切り下げた20,600円台を中心とした値動きになっています。堅調といえば堅調なのですが、22日(水)~23日(木)が陰線となって上値の重たさが感じられることと、21日(火)のローソク足がやや「アイランド・リバーサル」気味になっていること、売買が盛り上がっていないことが少し気になります。そのため、再び下落に転じるシナリオも一応想定しておいたほうが良いかもしれませんが、25日、75日移動平均線が押し目となる可能性が高く、波乱の予兆はあまり感じられません。

引続き、6月の高値更新とレンジ相場入りが注目される状況ですが、ウォッチする期間をもう少し期間を長くしてみます。下の図2はこれまでにも何度か紹介した「扇形トレンド」とRSIです。

(図2)日経平均(日足)の動きとRSI (7月23日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

扇型トレンドとは、ひとつの起点から3本のトレンドラインを描き、株価が3本目を上(下)抜けたときにそのトレンドが終了するというものです。日経平均の場合、上の図2のように、今年の1月中旬から上昇トレンド入りし、ここを起点としたトレンドラインが描かれたわけですが、6月中旬あたりに3本目のラインを下抜けてしまい、上昇トレンドがひとまず終了した格好です。

そこで、図2下段のRSIに注目してみると、上昇トレンド発生期間中は60%~80%を中心に推移していたことが分かります。RSIは一定期間中の上げ幅合計の割合ですので、RSIが高めの数値で推移しているということは、相場上昇の勢いがあることを意味します。ただ、扇型トレンドが崩れた6月中旬からはRSIが推移する水準が切り下がっており、日経平均のチャートを見ても、上昇の勢いが弱まっています。また、このまま6月高値を目指しても、これまでの扇型トレンドのライン③が上値の抵抗となる可能性もあり、「強くもないけど弱くもない」相場展開が続きそうです。