今週の国内株市場ですが、日経平均が2万円を下回るなど、売りに押される場面が目立っています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (7月9日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

早速、足元の動きを上の図1で確認してみますと、真っ先に目に飛び込んでくるのは7月8日(水)につけた大陰線です。この日は今年最大の下げ幅でしたが、2万円の大台を挟んで、相場のムードを一変させるほどのインパクトがあります。6月以降、2万円が下値のサポートとして機能する一方、上値が切り下がっていましたので、8日の下落によって、「三角保ち合い」を下抜けたように見えます。

次に印象的なのは、翌9日(木)の下ヒゲの長い陽線です。しかもこの日の終値(19,855円)は高値引けです。この日の安値は19,115円でしたので、売りが一巡した後にかなりの買いの勢いがあったと考えられます。結果的に「大きく下げて、大きく戻す」形になっており、目先の底打ちと今後の反発を思わせるような格好です。

次に、同じ期間の状況について、移動平均線を絡めて見て行きたいと思います(下の図2)。

(図2)直近の日経平均(日足)の動き その2 (7月9日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の日経平均は75日移動平均線を下回っていますが、これは今年の1月16日の取引時間中以来ですので、かなり久しぶりの状況となります。逆を言えば、かなりの期間、日経平均が3カ月の値動きの中心線を上回って推移してきたことになります。ですので、早いうちにこの75日移動平均線の水準まで戻したいところですが、ちょうど2万円の水準ですし、8日の大陰線の実体の半分の水準でもありますので、ここが目先のポイントとなりそうです。

また、週足でも動きを追って行きたいと思います。下の図3は、週足の日経平均のボリンジャーバンドですが、トレンド継続中を示す「バンドウォーク」のレンジから外れてしまいました。やや方向感が掴みにくくなっています。

(図3)日経平均(週足)のボリンジャーバンド

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

最後に、週足でも移動平均と絡めて見ていきます。下の図4ですが、下段は13週移動平均線との乖離率です。

(図4)日経平均(週足)と移動平均線乖離率(13週)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

再度、日経平均が下押しした場合の参考として、移動平均乖離率(13週)に注目してみます。図4で過去に遡ってみますと、98%、96%、94%あたりまで日経平均がマイナス乖離すると、底打ちすることが多いようです。9日時点の13週線は20,099円ですので、98%で20,509円、96%で19,295円、94%で18,893円になります。このあたりが下値の目安として意識されそうです。