月を跨ぐ格好となった今週の国内株市場は、急落スタートとなり、6月29日(月)の日経平均は前週末比で596円安を見せ、今年最大の下落幅になりました。その後は下げ渋った後、戻りを意識する展開に転じ、7月2日(木)の取引は20,522円で終了しました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1 (7月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の日経平均の動きを上の図1で見てみますと、値動きの荒さが際立ち、いわゆる「窓」空けの局面がいくつか見られます。前週は上昇過程で窓空けを見せ、今週は急落時の窓空けと戻りの窓空けです。とりわけ、今週に入って空けた二つの窓はちょうどアイランドリバーサルのような格好ですので、このまま戻りを試す兆しと見ることができますが、2日(木)のローソク足が陰線かつ実体の短い線ですので、2日(木)の取引は窓空けで上昇した割には慎重さも感じられます。

(図2)直近の日経平均(日足)の動き その2 (7月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2も図1と同じ足元の日経平均の動きを表しています。少し過去に遡ってみますと、5月の高値をつけた28日以降、しばらくもみ合いを続けている場面がありましたが、7月2日(木)のローソク足や3つの窓空けは、ちょうどこの水準に位置しています。

ですので、日経平均は20,400円から20,700円のレンジを中心に、これまでに空けた窓を埋めに行く動きとなれば、相場の落ち着きどころを固める格好になるので理想的ではあります。この場合、レンジ相場入りとなりますので、次のトレンド発生に備えてエネルギーを蓄積することになります。ただし、直近の動きのように、窓空けによる株価の上振れや下振れなど急変動には引続き注意が必要です。

また、週足でも日経平均の動きを追って行きたいと思います。下の図3は、週足の日経平均のボリンジャーバンドです。前回も紹介しましたトレンド継続中である「バンドウォーク」の形状をまだ維持しています。

(図3)日経平均(週足)のボリンジャーバンド

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

次に、下の図4ですが、先ほどの図3と同じ期間の日経平均(週足)とMACDになります。

(図4)日経平均(週足)とMACD

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ここ直近のMACD(赤色の線)の傾きは横ばい、もしくはやや下向きになっています。MACDは短期線と中期線の乖離線ですので、MACDの横ばい・下向きは短期線の勢いの後退もしくは下落転換を意味します。図4では日経平均が過去に天井をつけた時のMACDの値を載せていますが、ここでは前回高値(2015年4月下旬の899円)とその前の高値(2014年12月下旬の683)に注目します。

この期間の日経平均は17,000円台から20,000円台まで3,000円以上も上昇しましたが、それに合わせてMACDも683円から899円と216円拡大しており、上昇の勢いが強かったことが分かります。日経平均はその後も上昇基調が続き、前週にITバブル時の高値を更新する20,952円までさらに1,000円近く上昇したのですが、MACDは4月下旬から縮小しており、7月2日(木)時点で788円です。そのため、足元は上昇の勢いは弱まっていると言えます。力強い上昇の持続にはやはりエネルギーが必要ですので、中期的にもレンジ相場入りが想定されそうです。