今週の国内株市場ですが、先週からの流れを引き継いで上昇基調が続きました。日経平均は5月19日(火)の終値で再び2万円台を回復し、以降も4月23日以来の高値を更新する展開になっています(下の図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (5月21日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

足元の日経平均の上昇ですが、前回高値(4月23日)をつけた時と似ている面があります。ひとつめは、日銀の金融政策決定会合前のタイミングで上昇している点です。いわゆる「日銀プレイ」と呼ばれているものですが、前回と同様に日銀会合後に売りに押される展開には注意が必要となります。そしてもうひとつが、25日移動平均線を上抜けしてからわずか数日で上昇している点です。

実は、4月以降の日経平均は25日移動平均線水準からの急ピッチな上昇というパターンが続いています(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)の推移

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて図2を見てみますと、過去の上昇局面においては、いずれも上昇の勢いに乗って直前の高値を超えていますが、今回は直前の高値水準でいったん足踏みしている状況のため、これまでのような積極性が感じられない印象です。直前の高値という「節」を超えきれるかが目先の注目点になります。

また、前回のレポートでも紹介しました「ファン(扇形)トレンド」でも、日経平均は目安となるトレンドライン②の上限付近という「節」まで上昇しています(下の図3)。そのため、上昇基調の維持にはこれら二つの「節」を超えなければならず、保ち合い相場入りを念頭に入れつつ、相場の勢いを探る展開が中心となりそうです。

(図3)日経平均(日足)の「ファントレンド」

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)