今週の国内株市場ですが、週初より日経平均が19,500円台を回復し、5月13日(水)の取引で大きく値を伸ばす場面もみられましたが、14日(木)の取引終了時点において、あまり方向感が出ていない状況です。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (5月14日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1を見ても分かりますが、今週の値動きは5日移動平均線と25日移動平均に挟まれたエリアでの推移が続いています。下値は切り上がっているため、一応、「戻りを試している」状況ではあると言えそうですが、イマイチ自信が持てない印象です。

次の図2は前回も紹介しました、日経平均の「ファン(扇形)トレンド」とMACDです。

(図2)日経平均の「ファントレンド」とMACD

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

先週末(8日)に日経平均が切り返したことで、③のトレンドラインが確定した格好となり、目先はライン②と③のあいだでの推移が想定されるメインのシナリオと考えられそうです。上限となるライン②は2万円超える水準に位置しているため、まだまだ上値の余地があるわけですが、5月に入ってからの日経平均は4月末までとは異なり、25日移動平均線より下での推移が続いており、ここを超える買い材料と勢いのきっかけが欲しいところです。

また、下段のMACDでは0円ラインが視野に入っています。MACDは「短期の(平滑)移動平均線から中期の(平滑)移動平均線を引いた差額」の線のため、0円ラインを下回ると、先行して動く短期線の下落がより鮮明になるため、ここで踏みとどまれるかも焦点となりそうです。

一方、週足チャートでも確認してみますと、前回と同様に、日経平均が3カ月平均である13週移動平均線の水準を維持しているほか、それぞれの移動平均線の向きが上向きのため、中期的なトレンドは継続中です。MACDもデッドクロスになっているものの、クロスの位置が高いところにあるほか、シグナルも上向きのため、トレンドが崩れたとはまだ判断できない状況です(下の図3)。

(図3)日経平均(週足)とMACD

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

最近は、日足ベースで軟調な展開が増える一方、週足では上昇トレンドが崩れない状況が続いています。次第に、「上値も上げきれなければ、下値も下げきらない」という膠着感が漂うムードが感じられ、4月からの日経平均は19,500円~20,000円の範囲内に納まることが多くなっています。しばらくは、「中期的なトレンド継続を見極めつつ、短期的に発生した勢いに乗る」という投資スタンスが中心となりそうです。