GWの連休明けとなった5月7日(木)の国内株市場ですが、日経平均の終値が前営業日(5月1日)比で239円安の19,291円となり、大幅に下落しました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (5月7日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は、その5月7日の取引終了時の日経平均(日足)チャートですが、5日移動平均線が25日移動平均線を下抜ける「デッドクロス」になったほか、前回、「上昇トレンド維持のカギ」と指摘しました、4月20日の前回安値(19,474円)も下回ってしまい、1月中旬からの下値切り上げ基調が崩れた格好です。7日のローソク足も上ヒゲを伸ばし、買い勢力の頑張りがうかがえるものの、結局は前日終値に届かずに陰線で終えており、上値よりも下値が意識されている印象です。

しばらくの間は下げ止まり、もしくは値固めの水準を探る動きが想定されるため、他のテクニカル指標でも確認してみたいと思います。まずは、日経平均(週足)チャートとMACDです(下の図2)。

(図2)日経平均(週足)とMACD(2015年1月~)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足では、7日の取引終了時点の日経平均が3カ月平均である13週移動平均線の水準に位置しているほか、MACDがシグナルを下抜けるデッドクロスになっており、中長期的な視点からも踏ん張りどころに差し掛かっていることが分かります。この水準からあまり下放れることがなければ、(一応は)トレンドが崩れていないことになるため、目先の戻り局面が期待でき、「押し目買い」としてまずまずのタイミングということになります。

とはいえ、あらためて日足に時間軸を戻します。下の図3は上段が平均足、下段がMACDですが、まず平均足を見てみますと、大きめの陰線が3本続いているため、売りの勢いが感じられます。続いてMACDでも、シグナルが下向き傾向の中、MACDも下げ足を早めており、正直、押し目買いを入れた方が良いのかどうか悩ましい状況です。

(図3)日経平均(日足)の平均足とMACD

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

最後にもう一度、日経平均(日足)にトレンドラインを引いて確認してみます(下の図4)。

(図4)日経平均(日足)チャートとトレンドライン

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

図4では、1月中旬を起点に、①と②のトレンドラインが引いてありますが、現在は点線となっている③を探っている状況です。目先の下値をつければ③のラインが確定するわけですが、実はこの3本セットのトレンドラインは「ファン(扇形)トレンド」といって、ざっくり以下のポイントがあります。

  • 起点から引かれた3本のトレンドラインは扇を広げたような格好に見える
  • 上昇(下落)トレンドの場合、1本前のトレンドラインが抵抗線(支持線)になる
  • 3本目のトレンドラインを下抜け(上抜け)たら、トレンドが終了

上記のポイントからすると、「目先の下値が確定したあとは②のラインまでの戻りが見込まれる」、「③のラインが確定した後、再びここを下回るとトレンド転換の可能性がある」ことになりますので、押し目買いと利益確定売りのタイミングの参考になりそうです。