今週に入ってからの日経平均の動きですが、先週末にかけて軟調だったムードがガラリと変わり、4月22日(水)の取引終了時には20,133円をつけ、終値ベースでようやく「2万円台乗せ」となりました。翌23日(木)の取引も、前日終値比マイナスのマイナス場面があったものの、結局は上値を伸ばす展開で終了しています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(4月23日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1を確認してみますと、週初に25日移動平均線水準がサポートとなった格好で反発した後、一気に2万円台を超えてきた印象です。ただ、23日のローソク足が陰線(終値<始値)であることや、下ヒゲが前日のローソク足にわずかにかぶっており、取引時間中に前回のレポートでも紹介しました「かぶせ線」となっていた場面があったことが分かります。結果的に上値を伸ばしたとはいえ、急ピッチな株価上昇に対する警戒感も感じられます

また、日経平均の動きをもう少し長い期間で見てみます。下の図2は上段が日足ベースの日経平均、下段がMACDです。

(図2)日経平均(日足)とMACD(2015年1月~)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

特に、MACDの傾きに注目してみます。MACDは短期と中期の(平滑)移動平均線の価格差を表した線ですので、強い上昇トレンドの発生時には、MACDの線が上向きになるのですが、3月の下旬あたりから横ばい傾向が続いています。つまり、日経平均は上昇してはいるものの、短期線と中期線の差があまり変わっていないことになりますので、上昇トレンドの強さはひとまず小休止、もしくは弱まっていると考えられます。まずは、年初からの下落基調が底打ちした1月16日を起点としたトレンドラインを超えられるかが注目されそうです。

また、最後に週足でも確認してみます。下の図3は週足ベースの日経平均とMACDです。

(図3)日経平均(週足)とMACD

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足ベースでは、それぞれの移動平均線(13週、26週、52週)とMACDがすべて上向きとなっていますので、上昇トレンドが継続中です。ただし、注意したいのが直近のローソク足です。23日(木)終了時点で、前週の陰線を包み込むような格好の陽線となっています。この形は「包み足(抱き線)」と呼ばれ、一見すると株価がさらに上昇していくように見えるのですが、これが天井圏で出現すると、売り転換のサインになることが多いとされています。まずは24日(金)の取引を終えて、このまま包み足で終わるのか、別の組み合わせになるのかがポイントになります。