今週の日経平均ですが、週初となる3月23日(月)の取引中に19,778円をつけるなど、大幅高を見せました。その翌日(24日)、翌々日(25日)の取引も高値が19,700円台後半となっており、「今週中にも日経平均2万円か?」という声も多く聞かれましたが、3月権利付最終日だった26日の取引は大きな下落となりました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (3月26日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1を見ますと、24日と25日のローソク足は両日とも、「寄引同値線(十字線)」に近い形となっています。十字線は売りと買いが拮抗していることを意味する線ですから、これが相場の天井圏で出現すると、「買い優勢で上昇してきたが、そろそろ売りも目立ち始めている?」と考えることができます。その一方で、5日移動平均線がサポートになっていたこと、下ヒゲの長い25日のローソク足が示すように、取引時間中に大きく売られる場面があっても買い戻されるという、買い方の「粘り」も感じられていました。26日に下落したことで、「この勢いのまま一気に2万円」というシナリオはやや遠のいた印象ですが、26日の終値は前回の原稿作成時(19日)とほぼ同水準ですし、気になるのは、この下落が「ひとまずの上昇一服」なのか、「調整入りになったのか」です。

まずは、前回も紹介しました日経平均のレンジの確認です。下の図2のチャートでは2本のトレンドラインを引いています。一本目は日銀の追加金融緩和前につけた安値である昨年10月17日を起点とした線、もう一本は年初からの下落が落ち着いた1月16日を起点とした線です。そうすると、直近の日経平均の上昇はこの2本の線に挟まれたレンジ内での動きであることが分かります。そのため、調整局面に入ったとしても、このレンジ内に収まれば上昇トレンド継続、つまり、ひとまずの上昇が一服と見ることができそうです。ただし、このレンジを大きく下回ってしまうと、調整入りとなり、75日移動平均線までの深押しシナリオも浮上してきます。ちなみに、26日取引終了時の75日移動平均線は18,014円です。

(図2)日経平均(日足)チャートと三段上げ(3月19日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

では、ここで75日移動平均線に注目してみます。下の図3は上段が日経平均、下段が75日移動平均線との乖離線です。

(図3)日経平均の日足チャートと75日移動平均乖離線(3月26日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ここ数ヶ月の動きを見ると、75日移動平均線の乖離線が110%ぐらいの水準が高値圏、102%ぐらいの水準が安値圏の目安になっています。前回、つまり昨年の日銀追加金融緩和で弾みをつけた上昇局面では110%ラインを挟んだもみあいがしばらく続いていますので、調整入りを見極めるにはもう少し時間がかかりそうです。