今週の日経平均は軟調なスタートになったものの、その後は切り返し、3月12日(木)の取引時間中には、2000年4月21日以来となる19,000円台に乗せる場面もありました。下の図1は直近の日経平均の示したものですが、ポイントとしては、①5日移動平均線をはさんだ動き、②下値の目処が18,600円水準、③終値では19,000円台に乗せ切れず、の3点になります。前回想定した通り、目先の調整があったとしても、堅調な展開になっています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1(3月12日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

気になるのは、一時的に19,000円台に乗せた日経平均がこのまま上昇し続けるのかです。こちらも前回紹介しましたボリンジャーバンドとMACDの推移でも確認してみます(下の図2)。

(図2)日経平均のボリンジャーバンド(上段)とMACD(下段)の動き(3月12日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

まず、ボリンジャーバンドでは、日経平均が+1σ(シグマ)を下回る場面がみられたものの、持ち直しており、いわゆる「バンドウォーク」が継続している状況です。

次に、MACDですが、今週月曜日(9日)にMACDがシグナルを下抜ける「デッドクロス」となりました。似たような状況が昨年10月下旬から12月あたまにかけてもみられましたが、この時はすぐに日経平均は下がらず、しばらく上昇を続けました。下落に転じたのは、MACDがシグナルを抜け切れなかったタイミングです。今回もデッドクロス後の日経平均は強めですが、再びMACDがシグナルを上抜けられなかったときの調整には警戒が必要となります。

また、同じ時期の日経平均の動きを平均足でも確認してみます(下の図3)。ここで注目するのは日経平均の上昇です。昨年10月下旬から12月あたまにかけての上昇は三段階に分かれていました。

(図3)日経平均の平均足(3月12日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

第一段は10月下旬から11月あたままでの上昇です。日銀の追加緩和を挟み、日経平均は15,000円割れの水準から17,000円まで一気に上昇しています。次に17,000円をトライしながらも抜け切れない状況が数日続き、17,500円水準まで切り上げたのが第二段の上昇です。ここでも17,500円を抜け切れない水準がしばらく続き、18,000円台まで上昇したのが第三段です。第一段の上昇幅が大きかった分、第二段と第三段が500円程度の小幅上昇となりました。

足元の状況は、1月半ばを起点とした第一段の上昇後、2月半ばからの第二段の上昇がひとまず一服したところと考えることができます。このまま第三段の上昇に入れるかが注目点ですが、その期待通りの展開となれば、強い相場基調が確認できることになりますので、思ったよりも上昇する可能性があります。

ただし、第三段の上昇幅が比較的大きかったことや、週足の日経平均が2週続けて下ヒゲが長めの線となっているため、値固めに時間が掛かる、もしくは達成感で調整が入る可能性は留意しておく必要がありそうです。