今週の日経平均の動きですが、週初となる月曜日(2月16日)には終値ベースで7年7カ月ぶりとなる18,000円台に乗せ、木曜日(19日)の終値は18,264円と、第1次安倍内閣時の高値である18,261円(2007年7月9日)をわずかに超え、一時は18,300円台まで上昇する場面もありました。

昨年の12月上旬より18,000円水準からの上値が重たい状況が続き、「保ち合い」相場を形成していましたが、ここにきてようやく上抜けてきました(下の図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き その1(2月19日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

また、足元の動きにつきましては、前回、想定シナリオとして紹介しました、昨年10月につけた安値と起点としたトレンドラインと、今年1月につけた安値を起点としたトレンドラインに挟まれたレンジ内での推移となっていますが、この勢いが続けば上値の余地がかなりあるように見えます(下の図2)。

(図2)日経平均の動き(日足)(2月19日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

その一方で、TOPIXでも同様に2本のトレンドラインを引いてみますと、レンジの上限が視野に入っており、先ほどの日経平均と比べますと上値の余地はあまり無いように見えます(下の図3)。最近は日経平均よりもTOPIXの方が強い動きを示していますが、TOPIXが伸び悩む局面で、日経平均もひとまず調整が入るかもしれません。

(図3)TOPIXの動き(日足)(2月19日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

とはいえ、長期的には「TOPIXの上昇余地はまだまだ十分にある」という見方があります。下の図4はいわゆるバブル最盛期だった頃からの超長期チャートです。日経平均は冒頭でも触れました通り、7年7ヶ月前の水準を達成しました。

(図4)日経平均の動き(月足) 1988年~

(出所:筆者の記録データを元に作成)

一方、TOPIXはまだその水準まで戻しておらず、これが上値余地の根拠のようです。

(図5)TOPIXの動き(月足) 1988年~

(出所:筆者の記録データを元に作成)

確かに2007年頃と比べますと、TOPIXはまだ当時の水準まで戻っていません。ただし、バブル崩壊後の推移を辿ってみますと、日経平均は上値を切り下げながら戻り高値を形成し、その上値を結んだラインを上抜けたことで上昇トレンドが発生してきたのに対し、TOPIXは上値を切り上げながら戻り高値を形成してきているため、戻り高値を上抜くには相当の相場のエネルギーが必要となります。