16年本決算で赤字転落も経常ベースでは19%増益、続く17年の業績を楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00763 中興通訊 (ZTEコーポレーション)  14.84 HKD
(03/24現在)
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中興通訊の2016年12月本決算は事前に発表した速報値通りとなり、米国当局への罰金支払いに絡む引当金を除外した場合の純利益は、前年比19%増の38億2000万元に達した。通信キャリア向けの設備ビジネスが寄与し、粗利益率は前年比で0.3ポイント改善した。中国国内の通信キャリアは設備投資予算の削減に動いているが、BOCIは同社の受注好調を指摘し、これが17年の通期利益を支えると予想。目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

16年通期の売上高は前年比1%増の1010億元。国内で10.2%の増収を確保する一方、海外市場で9.3%の減収となった。また、通期の最終損益は23億6000万元の赤字だったが、これは米国当局への罰金(輸出管理法違反)支払いが響いたためで、この要因を除けば、38億2000万元の黒字だった。

通期の粗利益率は前年の29.0%を上回る29.3%。キャリア向けネットワーク設備ビジネスの粗利益率が、前年の34.5%から37.3%に上向いたことが寄与した。

中国国内の通信キャリアは設備投資計画を縮小させているが、それでもBOCIは17年決算について、複数の収益成長エンジンが存在するとの見方だ。その一例は、16年7-9月期に始まったチャイナ・テレコム(00728)向けの800MHzネットワークの再配置業務で、この業務の収益は17年に計上される予定。また、300億元規模のチャイナ・モバイル(00941)のネットワーク拡張プロジェクトにおいても、同社は40%のシェアを握っているとした。さらに、クラウドコンピューティング利用の拡大を受けた力強いファイバーネットワーク需要も、17年の利益を支える見通しという。BOCIはこのほか、違法行為に関する米国でのトラブルが決着したことで、海外ビジネスや携帯端末ビジネスの正常化が期待できることにも言及している。

BOCIは本土通信キャリアの設備投資の削減幅が予想より小幅にとどまったとし、同社の17年の利益見通しを15%増額修正。これに伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新たな目標株価は17年予想PERで15倍。仮にキャリア各社の設備投資が予想を上回った場合、利益見通しの増額修正もあり得るとしている。

 

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