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「売買技術」の重要性(その1)~銘柄選びよりも10倍大切なこととは?
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

「売買技術」の重要性(その1)~銘柄選びよりも10倍大切なこととは?

2014/8/14
皆さんは、株式投資で最も重要なことは何だと思いますか?多くの方は「銘柄選び」、つまり株価が将来上昇する可能性の高い銘柄を選ぶことだとお答えになるのではないでしょうか。
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最も重要なのは「銘柄選び」ではなく売買技術

皆さんは、株式投資で最も重要なことは何だと思いますか?多くの方は「銘柄選び」、つまり株価が将来上昇する可能性の高い銘柄を選ぶことだとお答えになるのではないでしょうか。

しかし、筆者は株式投資を長年にわたり実践してきた経験から、「銘柄選び」よりもはるかに重要な点があることを皆さんにお伝えしたいと思います。それは「売買技術」です。

売買技術とは、具体的には以下のようなことを指します。

  • 買い時、売り時のタイミングの適切な判断
  • 適時的確な損切りの実行
  • 投資資金の各銘柄ごとの配分
  • 相場状況に応じた投資銘柄の買い増しや一部売却の判断
  • 相場状況に応じた株式への総投資金額の管理・増減

筆者は本コラムや拙著で、「トレンドに従った売買」や「損切り」の重要性を繰り返し申し上げていますが、これらも売買技術の1つです。

同じ銘柄を売買しているのに売買技術で大きな差が!

なぜ売買技術が重要なのか、それを次の事例で考えてみましょう。

ある銘柄(X株)を、著名な投資アドバイザーが推奨していました。推奨時の株価は100円でした。この銘柄はアベノミクス相場にうまく乗ったこともあり、そこから半年で900円にまで上昇しました。その後は調整に転じ、現在は400円前後で推移しています。

さて、このX株が推奨されているのを知ったAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人は、いずれもX株を買いましたが、その後の結果は以下のようになりました。

Aさん:100円で買い → 600円で売却 (500%の利益)

Bさん:100円で買い → 120円で売却 (20%の利益)

Cさん:800円で買い → そのまま保有 (50%の含み損)

Dさん:100円で買い → 120円で売却
     400円で買い → 480円で売却
     800円で買い → そのまま保有 (トータルで37.5%の含み損)

Eさん:100円で買い → そのまま保有 (300%の含み益)

同じ銘柄を買ったのに、これだけ投資成績に差がつくのでしょうか?これがまさに「売買技術」により生じた差なのです。

この事例は多少脚色していますが、筆者が実際に売買した銘柄をもとにしています。AさんはX株の株価チャートをみたところ上昇トレンド入り間もなかったので100円で買いました。その後900円まで株価が上昇したものの天井をつけ下降トレンドに転じたので、600円で売りました。筆者もそのような方法を実践して高いパフォーマンスを得られた銘柄がいくつもありました。

Bさんは問題なし?CさんとDさんは何がいけなかったのか?

では、次にBさんをみてみましょう。Bさんはせっかく株価が大きく上昇したのに20%の利益しか得ることができませんでした。しかしこの方法もあながち間違っているとはいえません。Bさんのように、そこそこの上昇で利益をしっかり確保するスタイルは、大相場こそ大きくは取れないものの、着実に利益を積み重ねることのできる方法だからです。

Cさんはどうでしょうか。これは典型的な「高値掴み」です。上昇トレンド入りして間もない段階で買うことができれば高値掴みは避けられます。また、仮に高値掴みしても損切りを適切に行えば浅い傷で乗り切ることができます。Cさんの失敗は、売買技術を磨くことで回避することが可能です。

DさんはBさんとCさんをミックスしたように見えますがそうではありません。Bさんは高値を追いかけて買わないのに対し、Dさんは株価が大きく上昇しても買いを繰り返しているからです。そしてCさんと同じように、最後は高値掴みで損切りせずに塩漬け、というパターンです。

Dさんのような売買をしている個人投資家は非常に多いと思います。せっかく安く買ったものの少しの利益で利食い → その後さらに株価が上昇したのであわてて買い直し → 少しの利益で利食い → さらに株価が上昇したので再び買い戻し → 最後は高値掴みで株価下落も損切りできずに含み損が膨らむ…という流れです。

この方法だと、最後は必ず高値掴みになります。そこで損切りができなければ塩漬け株を作ってしまうことになります。こうして、多くの個人投資家が塩漬け株を量産してしまうのです。

Dさんの失敗は、トレンドに応じた売買で利益をできるだけ伸ばす、損切りを実行できるようにする、といった売買技術を身につければ十分に回避できます。

CさんやDさんのケースは、失敗を反省材料にして売買技術をマスターしていけば、今後の投資成績を格段に向上させることができます。

アベノミクス相場で資産倍増は実力がなくとも簡単に達成可能だった?

しかしEさんのケースは、売買技術に関係なく、今回のアベノミクス相場で成功をしてしまっているだけに注意が必要です。

実は、アベノミクス相場では売買技術が身についていない個人投資家であっても利益を得ることができました。なぜなら、よほど変な銘柄を選んでしまわない限りは、株を買って持ち続けているだけで持ち株の株価が大きく上昇してくれたからです。

投資経験が浅い個人投資家は、これを「自分の実力」と勘違いしてしまいがちですが、上昇相場で利益を得ることは簡単です。上昇相場では、あまり実力による投資成績の差は生じません。逆に売買技術に乏しく実力の高くない個人投資家が、中途半端に売買技術を持つ個人投資家より成功してしまうこともあるのです。

Eさんは、売買技術を習得していないものの、たまたまX株を安く買うことができ、現在でも買値より株価がいまだ大きく上昇した状態のためX株を持ち続けているに過ぎないのです。アベノミクス相場という上昇気流にうまく乗ることができたため、結果として大きな含み益が生じている状況です。

特にアベノミクス相場が始まってから本格的に株式投資を始めた個人投資家で、下落相場を経験したことがない方は、Eさんのように「売買技術が身についていないが相場環境が良かったのでたまたま大きく儲かった」だけの可能性が大いにあります。

実は、Eさんは上昇相場だったからうまくいっただけであり、これが下落相場だったなら、これとは大きく違った結果になっています。

次回は、下落相場でEさんのような投資行動をしているとどうなるのか、そして下落相場を難なく乗り切るためにはどうすればよいのかにつきご説明したいと思います。

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