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需給・ファンダメンタルズとも良好だが、短期過熱感強まる
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

需給・ファンダメンタルズとも良好だが、短期過熱感強まる

2016/12/19
外国人は先週で6週連続日本株を買い越している模様。外国人買いが日経平均の上昇を牽引。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 外国人は先週で6週連続日本株を買い越している模様。外国人買いが日経平均の上昇を牽引。
  • 円安と世界景気の回復を受けて、今下期の日本の企業業績(会社予想)は、上方修正が優勢になる見込み。需給・ファンダメンタルズともに投資環境は良好。ただし、騰落レシオが156に達するなど、短期的な過熱感は意識される。

(1)外国人の買いが上昇を牽引

外国人投資家が、12月9日まで、5週連続で日本株を買い越したことがわかっています。先週(12月12-16日)も、外国人は買い越しと考えられます。6週連続の外国人買いが、日経平均の上昇を牽引しています。

世界景気の見通し好転を受けて、世界で長期金利が上昇、株式が上昇しています。つまり、世界的に長期債を売って、株を組み入れる資産配分の転換(グレート・ローテーション)が起こっています。中でも、日本株は、世界景気敏感株と見なされており、外国人が組み入れを急いでいます。

今年1年の日本株の主体別需給動向を見ると、今年も日本株は、外国人の売買に振り回された1年であったことがわかります。主体別売買動向を、世界景気に不安があった1-9月と、世界回復色が強まった10-12月に分けて表示したのが、以下の表です。

日本株の主体別売買動向(売買金額差額)2市場1・2部:2016年1-9月、10-12月(9日まで)

  1-9月 10-12月
外国人 ▲ 6兆1,893億円 + 2兆5,782億円
個人 + 3,531億円 ▲ 2兆6,082億円
投信 + 3,841億円 ▲ 4,714億円
信託銀行 + 3兆6,069億円 ▲ 469億円
事業法人 + 1兆7,960億円 + 4,147億円

(出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成)

1-9月は、外国人が6兆円以上日本株を売り越し、日経平均が急落しました。10-12月は外国人が2.3兆円買い越し、日経平均を急騰させました。過去20年以上、日本株が外国人の売買によって上昇下落していることがよくわかります。

過去20年以上、外国人と常に逆の売買をやっている主体があります。それは、個人投資家です。過去20年以上、外国人が買っている時は売り、外国人が売っている時に買う傾向が強いのが、個人投資家です。言い方を変えると、個人投資家は、日経平均が下がっている時に買い、日経平均が上がっている時に売る「逆バリ投資家」ということになります。

今年も、外国人が売っていた1-9月に個人および投信は買い越しています。外国人が買っている10-12月は売り越しています。

ただし、今年の売買で、例年と異なるのは、信託銀行の買いが大きいことです。1-9月は約2兆9000億円も買い越しています。信託銀行には、主に、日本銀行の日本株ETF買いと年金基金の売買が反映されています。今年は、日本銀行の買いによって、1-9月の信託銀行買いが高水準となりました。

信託銀行は10-12月に売り越しとなっていますが、これは、主に企業年金の売りと考えられます。日本銀行は10-12月も買い続けています。日本銀行は、今のところ、買うだけで売ることのない主体です。

なお、1-9月の個人投資家の買い越しが3,531億円と意外と少ないのは、個人の代わりに日本銀行が先んじて買ってしまったためと言えます。外国人の売りで急落しそうな時に、日本銀行が積極的に買って相場を支えたために、1-9月は個人投資家が思うように日本株を買えなかったとも言えます。

買い主体としてもう1つ大きいのが、事業法人です。高水準の自社株買いが、事業法人の買い越しにつながっています。事業法人の自社株買いは、相場の上げ下げに関係なく、毎年数兆円規模の大きな買い越し主体となっています。

(2)短期的には日経平均は過熱

今期(2017年3月期)の日本の企業業績見通しは、上半期は急激に進んだ円高の影響で、下方修正が優勢でした。ところが、下半期は、急激に進んだ円安の影響、米国・中国の景気が持ち直している影響から、上方修正が優勢になると考えられます。

日本株の投資環境は、現時点で、需給もファンダメンタルズも良好といえます。ただし、短期的には、日経平均の上昇ピッチが早すぎて、テクニカルに過熱感が出ていることが気になります。

東証一部の騰落レシオ(25日移動平均):2012年1月―2016年12月16日

(日経QUICKより楽天証券経済研究所が作成)

騰落レシオ(25日移動平均)が150に近づくと、短期的な過熱感が意識され反落することが多かったことがわかります。12月16日には、156に達しています。13週移動平均線からの情報乖離率が10%に達していることも、短期的な上昇ピッチがやや速すぎるためと、考えられます。

今週、外国人はクリスマス休暇に入ります。例年だと、外国人の売買手口が減る週に入ります。例年通りならば、今週は外国人の手口が減少し、日経平均は上昇一服となります。

ただ、少しでも下がると、買い遅れている日本銀行などのETF買いが出る可能性もあり、深押しは、ないと考えられます。

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