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業績予想の上方修正・下方修正を発表した銘柄リスト
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

業績予想の上方修正・下方修正を発表した銘柄リスト

2016/10/31
9月中間決算で、今期(2017年3月期)の業績予想を修正する企業が増えています。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 円高の影響で、輸出企業では業績予想の下方修正が多い。ただし、下方修正で悪材料出尽くしとなり、株価が反発する企業も出ている。
  • 深刻な構造不況下にある造船・海運業でも下方修正が多いが、造船・海運業では悪材料の出尽くし感がない。
  • 建設・半導体製造装置などで、業績の上方修正が多い。

(1)通期の増益率見通しは、低下してきている

9月中間決算で、今期(2017年3月期)の業績予想を修正する企業が増えています。為替前提を円高方向に見直すことで、輸出企業では下方修正が多くなっています。ただ、下方修正幅は、従来の市場予想より小さく、下方修正発表と同時に株価が底打ちして上昇するケースが増えています。

建設業や半導体製造装置メーカーなどでは、業績予想の上方修正が出ていますが、東証一部全体では下方修正のほうが上回っています。

東証一部上場企業 主要1377社の今期(2017年3月期)業績(会社予想):2016年7月25日時点と10月28日時点の比較

  7月25日時点 10月28日時点
連結経常利益(前期比) ▲1.3% ▲3.3%
連結純利益(前期比) +8.3% +6.0%

(注:集計対象は3月期決算の主要1377社、IFRS・米国基準採用企業は連結税前利益を経常利益として集計、楽天証券経済研究所が作成)

ドル円の平均為替レート推移:2013年度―2016年度(10月28日まで)

  2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
1ドル当たり 100.22円 109.91円 120.04円 104.98円

(注:楽天証券経済研究所が作成)

前期(2015年度)の平均為替レートは、1ドル120.04円でしたが、今期は急激な円高が進み、10月28日までで平均為替レートは1ドル104.98円となっています。ただ、これ程の急激な円高が進んだ割りには、日本企業の業績は堅調といえます。

現時点で今期経常利益は▲3.3%となる見通しですが、最終利益(連結純利益)は+6%の増える見通しです。10月に入ってから3週連続で外国人投資家が日本株を買い越していますが、日本の企業業績が意外に堅調であることが評価されている面もあります。

(2)業績下方修正額の大きい30社

円高進行により、輸出企業の下方修正が多くなっています。また、深刻な構造不況下にある造船・海運業で、大幅な下方修正が目立ちます。

7月25日以降に今期(2017年3月期)経常利益予想を下方修正した企業、下方修正額の上位30社

(単位:億円)

コード 銘柄名 修正後 前年比 下方修正額
7203 トヨタ自動車 17,800 ▲40% ▲ 1,200
7211 三菱自動車工業 ▲ 282 赤字転落 ▲ 602
7011 三菱重工業 2,800 3% ▲ 500
7012 川崎重工業 250 ▲73% ▲ 440
7013 IHI 180 85% ▲ 370
9107 川崎汽船 ▲ 215 赤字転落 ▲ 365
7974 任天堂 100 ▲65% ▲ 350
7752 リコー 380 ▲60% ▲ 340
6902 デンソー 3,100 ▲11% ▲ 320
9101 日本郵船 50 ▲92% ▲ 300
4901 富士フイルムHLDG 1,920 ▲1% ▲ 280
6503 三菱電機 2,550 ▲20% ▲ 250
7274 ショーワ ▲ 96 赤字転落 ▲ 224
4005 住友化学 1,300 ▲24% ▲ 200
7205 日野自動車 590 ▲38% ▲ 200
5406 神戸製鋼所 200 ▲31% ▲ 150
3099 三越伊勢丹HLDG 250 ▲32% ▲ 130
7733 オリンパス 670 ▲26% ▲ 130
6703 沖電気工業 60 ▲47% ▲ 120
6770 アルプス電気 345 ▲31% ▲ 115
6839 船井電機 ▲ 80 赤字転落 ▲ 115
7102 日本車輌製造 ▲ 143 赤字拡大 ▲ 115
7122 近畿車輛 ▲ 127 赤字拡大 ▲ 114
7014 名村造船所 ▲ 95 赤字転落 ▲ 101
3105 日清紡HLDG 110 ▲35% ▲ 100
6724 セイコーエプソン 590 ▲36% ▲ 100
7270 富士重工業 4,100 ▲29% ▲ 100
9104 商船三井 100 ▲72% ▲ 100
6645 オムロン 550 ▲16% ▲ 95
7762 シチズンHLDG 195 ▲36% ▲ 95

(注:楽天証券経済研究所が作成)

輸出企業の中には、円高の影響を除けば、業績は堅調といえる企業が増えています。そうした輸出企業では、業績の下方修正と同時に株価が反発するケースがあります。たとえば、27日に業績下方修正を発表したオムロンは、制御機器が中国で好調であったことなどが好感され、28日に株価が6.3%上昇しています。

(3)追い詰められる造船・海運業

深刻な構造不況下にある造船・海運業は、業績の下方修正を出しても、悪材料の出尽くし感がありません。造船業の中には、将来的に日本で事業を継続していくことが難しくなるところも出てくる可能性があります。今後、一段と業界再編が進むと考えられます。

前回、造船・海運業がブームだったのは、2007年です。この時、造船業では軒並み5年分以上の受注を抱えていました。ところが、2008年から海運市況も船価も急落し、深刻な造船・海運不況が始まりました。

船価の下落と、円高の進行によって、日本の造船業は、赤字受注しか取れない状況になりました。それでも、2007年までに取った高価格の受注が5年分はあったので、受注残を消化しながら利益を出すことが、2012年まではできました。

2012年には高採算の受注残が底をつき始めました。それでも船価は安いままで、新規受注は赤字を覚悟しないと取れない状態でした。この時、日本では、造船業からの撤退を検討する会社が出始めました。

ところが、そこで神風が吹きました。2013年から急激な円安が進んだのです。これで、日本の造船業は一時的に受注をとっても何とか利益を出せる状態に戻りました。それで、日本の造船業はしばらく延命できました。

2015―16年に再び転機がやって来ました。造船・海運市況がさらに下がり、2016年には円高も進みました。これで、再び、日本の造船業は受注を取ることができなくなってきました。これから、日本の造船業では、再び、撤退や経営統合の話が増えてくると考えられます。

海運業も深刻な不況下にありますが、造船業のように撤退を議論するほど、追い詰められているわけではありません。ただし、海運業の構造不況も深刻です。今期だけでなく、来期も業績低迷が続きそうです。

(4)業績上方修正額の大きい30社

建設業や、半導体製造装置メーカーなどに上方修正が出ています。

7月25日以降に今期(2017年3月期)経常利益予想を上方修正した企業、上方修正額の上位30社

(単位:億円)

コード 銘柄名 修正後 前年比 上方修正額
1812 鹿島建設 1,240 9% 340
9437 NTTドコモ 9,360 20% 220
8035 東京エレクトロン 1,420 19% 180
3116 トヨタ紡織 690 23% 165
4188 三菱ケミカルHLDG 2,140 ▲21% 160
5938 LIXILグループ 670 ▲1,045% 160
6954 ファナック 1,425 ▲38% 144
1605 国際石油開発帝石 2,510 ▲33% 140
1878 大東建託 1,220 16% 110
4183 三井化学 710 12% 90
4508 田辺三菱製薬 860 ▲9% 90
9531 東京瓦斯 480 ▲75% 80
8036 日立ハイテクノロジーズ 460 ▲5% 60
6857 アドバンテスト 153 30% 53
7259 アイシン精機 1,900 2% 50
1942 関電工 255 49% 49
2264 森永乳業 210 40% 40
4506 大日本住友製薬 440 25% 40
7276 小糸製作所 830 ▲2% 40
2270 雪印メグミルク 190 34% 35
6448 ブラザー工業 485 ▲0.2% 35
8386 百十四銀行 173 ▲12% 34
5440 共英製鋼 100 ▲29% 30
6594 日本電産 1,330 11% 30
9042 阪急阪神HLDG 920 ▲12% 30
2201 森永製菓 148 23% 28
2281 プリマハム 114 30% 28
7575 日本ライフライン 69 94% 21
3104 富士紡HLDG 66 77% 20
6644 大崎電気工業 62 55% 20

(注:楽天証券経済研究所が作成)

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