お金と投資をもっと身近に
facebook twitter
日経平均に出ている強気シグナルを信頼してよいか?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

日経平均に出ている強気シグナルを信頼してよいか?

2016/10/26
日経平均に中期的な強気シグナルが増えている。ここから、景気・企業業績を急激に悪化させる想定外の悪材料が出ない限り、日経平均は上昇トレンドをたどると予想される。
facebook twitter 印刷する

執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 日経平均に中期的な強気シグナルが増えている。ここから、景気・企業業績を急激に悪化させる想定外の悪材料が出ない限り、日経平均は上昇トレンドをたどると予想される。
  • 日銀のETF買い・企業の自社株買いが増えていることが需給改善に貢献。それに加え、相場を動かす外国人が足元買い越しに転じていることも重要。ただ、外国人の売買はめまぐるしく変わるので要注意。
  • 裁定買い残高が、リーマンショック時の水準まで低下していることも、需給面の好材料。

(1)日経平均チャートには、中期的な強気シグナルが増えている

今、日経平均のチャートを見ると、中期トレンドで見た強気シグナルが増えています。チャートは株式市場の需給を表します。チャートが改善しているということは、日本株市場の需給がよくなってきている(買いの勢いが少しずつ強くなっている)ことを表します。

日経平均および13週・26週移動平均線推移:2015年1月5日―2016年10月25日

【注】楽天証券経済研究所が作成

上の日経平均チャートにあらわれている、代表的な中期強気シグナルは、以下の通り。

二番底

日経平均は15,000円割れを2回(今年の2月と6月)試しましたが、それが二番底となり、反発局面に入りつつあります。

ゴールデンクロス

13週移動平均線が26週移動平均線の下から上へ抜ける「ゴールデンクロス」が9月23日に出た後、上昇トレンドが出つつあります。

13週移動平均線とのかい離率は3.6%(相場に過熱感はない)

以下のグラフで説明します。

日経平均(左軸)と13週移動平均線からのかい離率(右軸)の推移:2015年1月5日―2016年10月25日

【注】(13週移動平均線とのかい離率)=(日経平均÷13週移動平均-1)×100、楽天証券経済研究所が作成

13週移動平均線とのかい離率は現在3.6%と低く、過熱シグナルは出ていません。かい離率3.6%とは、日経平均が13週移動平均線よりも3.6%高い位置にあることを示しています。日経平均の上昇スピードが速過ぎるとかい離率が大きくなり、過熱感が出ます。13週移動平均線からのかい離率が10%を超えると短期的に反落するリスクが高まります。今は、日経平均が値固めをしながら、ゆるやかに上昇しているため、相場に過熱感が出にくくなっています。

ちなみに、かい離率がマイナス10%(13週移動平均線よりも、日経平均が10%下)になると、短期売られ過ぎの可能性があります。そうなると、短期的に反発が起こりやすくなります。

なお、かい離率+10%で反落を警戒し、かい離率マイナス10%で反発を警戒するというのは、あくまでも目安に過ぎません。その時の需給により、かい離率がもっと拡大することもありますし、そこまで開かないうちに相場が反転することもあります。2015-2016年の動きを、上のチャートで参考に見てください。

(2)裁定買い残高がリーマンショック時の頃の水準まで低下していることも、需給にプラス

私がファンドマネージャー時代に重視していた需給指標に、裁定買い残高があります。「裁定買い残高が減少を続けるときは、先物の売り建てで攻め、裁定買い残高が上昇に転じるときは、先物の買い建てで攻める」ことが、売買に勝つ方法でした。

裁定買い残高は、その時々の投資環境によって一定のリズムで変動します。ひとたび減少トレンドに入ると、一定期間減少が続きました。増加が始まると、一定期間、増加が続きました。増加・減少の転換点となるところで、慎重な判断が必要です。

その裁定買い残高ですが、今、リーマンショック時以来の低水準に落ち込んでいます。足元、少し増え始めています。ここから、裁定買い残高が増えていけば、日経平均が上昇する原動力となります。

日経平均と裁定買い残高の推移:2006年4月3日―2016年7月14日

(出所:東証データから楽天証券経済研究所が作成)

裁定買い残高の見方について、詳しい説明が必要な方は、以下のレポートをご参照ください。

2016年7月7日「裁定買い残高がついに7,503億円まで減少」

(3)チャートのシグナルを信用していいか?

日経平均の動きを予想するとき、2つの要素を考慮する必要があります。①需給と、②ファンダメンタルズ(景気や企業業績)です。

短期的な動きに限ると、需給を読む方が圧倒的に重要です。需給はチャートや売買高に表れることが多いので、チャートをしっかり見ていることが大切です。今、チャートに強気シグナルが増えているのは、需給が改善しているからです。

日銀がETFを年6兆円のペースで買っていることに加え、日本株の相場を動かす外国人が日本株を足元買い越しているので、日本株の需給は好調です。自社株買いが増加していることも、需給を改善させています。そうした、現在の需給がチャートに表れているということです。

チャートのシグナルをそのまま信じることは、もちろん、できません。ここから、想像もできなかった悪材料が飛び出して、ファンダメンタル(景気や企業業績)が急激に悪化すれば、たちどころに売り手が増えて、日経平均は下がります。

チャートのシグナルは、景気・企業業績の急激な悪化がなく、今の需給が維持される限りにおいて、日経平均が上昇している可能性が高くなっていると読むべきです。

円高が一服し、米国・中国の景気が持ち直していることから、日本のファンダメンタルは今、少しずつ改善傾向にあります。この傾向に、急激な変化が起こらないか、ファンダメンタルも注視していく必要があります。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

はじめよう株主優待
人気記事ランキングTOP
トウシル TOP
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください日経平均に出ている強気シグナルを信頼してよいか?

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

日経平均に出ている強気シグナルを信頼してよいか?

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。