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リーマンショックと現在の急落局面を比較
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

リーマンショックと現在の急落局面を比較

2016/1/19
18日の日経平均は、先週末比191円安の16,955円となりました。朝方482円安の16,665円まで下がりましたが、引けにかけて下げ幅を縮小しました。
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18日の日経平均は、先週末比191円安の16,955円となりました。朝方482円安の16,665円まで下がりましたが、引けにかけて下げ幅を縮小しました。

最近、「今の株価急落はリーマンショックの前兆か」という話を聞くようになりました。私は、当時とは経済環境が異なるので、これからリーマンショックのような世界不況が起こるとは考えていません。今日は、リーマンショックと今の急落局面を比較します。

(1)リーマンショックとの比較:日経平均の動き

リーマンショックと現在の日経平均急落を比較

(注)今回の急落直前(2015年8月7日)の日経平均と、リーマンショック直前(2008年9月12日)の日経平均を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成。

リーマンショックの時は、約1ヶ月で日経平均が35%も下げました。今回の急落では、日経平均はまだ20%程度しか下げていません。もし、これからリーマンショック並みの世界不況が起こるならば、日経平均はここからまだ大きく下げることになります。

ただ、冒頭で述べたように、私はそうなるとは考えていません。日経平均が16,700円前後で下げ止まり、反発に向かうと仮定すると、後から振り返ると、今が二番底ということになります。リーマンショックの時は、2ヵ月後に一番底をつけ、6ヵ月後に二番底をつけ、そこから本格的な反発相場に転じました。今回の急落で、2ヵ月後(昨年9月末)が一番底、6ヵ月後(現在)が二番底になると仮定すると、リバウンド局面入りまでの日柄はほぼ一致することになります。

実際どちらになるか、これからの日本および世界の景気・企業業績動向によって決まります。

(2)リーマンショック後の、世界景気と投資家心理の変化

  • リーマンショック直後(2008年10~12月)

世界景気がかつて経験したことがないほど急速に悪化し、恐怖が広がりました。世界中でリスク資産が一斉に売られ、為替市場では、安全通貨の円が買われました。「100年に1度の世界不況が起こる」と言われました。景気敏感株の下落率が特に大きくなりました。

  • 次の3ヶ月(2009年1~3月)

投資家心理は少し落ち着いてきました。後から振り返ると、ここはリーマンショック後の世界景気の底でした。景気は悪化していましたが、何が起こっているかわからないという恐怖心は徐々に低下していました。この頃の投資家心理を表現すると、「確かに世界不況が起こった、でも、100年に1度と言うほどの大不況ではない」といった感じです。

日経平均は3月の二番底に向けて下げましたが、自動車株など景気敏感株は、2008年12月が底で2009年1月から上昇に転じていました。それまで相対的に値持ちの良かったJRなどディフェンシブ株が、1月から大きく下がりました。日経平均は下がっていきましたが、景気敏感株は底打ちしていたので、不安心理は徐々に収束しつつありました。

  • 次の3ヶ月(2009年4~6月)

世界景気が急速に立ち直り始めていることがさまざまな景気指標で確認できました。それで、世界的にリスク資産が一斉に買い戻されました。

(3)現在は、リーマンショック時と経済環境が大きく異なる

リーマンショックは、2つの要因によって起こりました。1つは、米大手証券リーマンブラザーズの破綻に象徴される、欧米の金融危機です。米国サブプライムローン(低信用の住宅ローン)のデフォルトが増え、証券化されたサブプライムローン商品を大量に保有する欧米金融機関の信用が急速に悪化し、世界規模の金融危機に発展しました。

もう1つの要因は、世界的なインフレ高進です。インフレが世界の消費を押しつぶし、一時的に世界から需要が消失した状況を生じました。リーマンショック前は、資源バブルのピークで、世界的にインフレが高進していました。新興国では軒並みインフレ率(消費者物価指数の上昇率)が10%を超えており、ハイパーインフレが世界経済のリスクと言われていました。中国ではインフレ率が8.5%まで上昇しました。

先進国でもインフレ率の上昇が懸念されていました。低インフレ国の日本でも、一時的にインフレ率が2%に達し、消費を抑制しました。ガソリン価格上昇によって2008年4-6月は車に乗る人が極端に減り、普段渋滞する道路も一時ガラガラとなりました。

こうしたリーマン前の状況と、今では、経済環境が大きく異なります。今は、デフレによって、世界需要が減少することが心配されています。資源価格の急落で、ブラジル・ロシアなど資源国の景気が急速に悪化する不安があります。

ただし、これだけで、リーマンショック並みの世界不況が起こるとは、考えられません。リーマンショック並みの世界不況が起こるためには、世界景気悪化と世界的な金融危機が同時に起こる必要があると思います。米国のサブプライムローン問題は、既に解決しており、ここから同じような金融危機が起こる可能性は高くないと考えています。

もし、同じような金融危機が起こると仮定すると、今回は、資源バブル崩壊による資源国の信用不安が契機になると考えられます。ベネズエラ(南米の産油国)のような小規模の国で信用不安が起こっても世界規模の金融危機には発展しません。これは仮定上の話ですが、ブラジルくらい大きな資源国でデフォルト不安が発生すれば、リーマンショック並みの金融危機になる可能性もあります。私は、そうなる可能性は、きわめて低いと考えています。

(4)これから世界景気がどれくらい悪化するかは慎重に見極める必要がある

リーマンショック後、半年が経過した2009年4月から、世界景気の底打ちが明らかになりました。今回の下げが始まった昨年8月から既に半年近くが経過していますが、これからすぐに世界景気が良くなる兆しはありません。昨年12月に資源価格が急落した影響から、これから世界景気はさらに停滞色を強める可能性があります。

資源急落直後は、資源価格が下がったことによるプラス効果が出ないで、マイナス効果が先行するからです。ブラジルなど資源国の景気はさらに冷え込みそうです。資源価格下落の恩恵を受ける日本などの先進国でも、当初はマイナス効果が先行します。アメリカも、シェールオイル業者の破綻が再び増加する懸念があります。

これから発表になる、日本とアメリカの10-12月期の景気指標と、決算発表に注目したいと思います。

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