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資源安ショックの中での商社株投資の考え方
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

資源安ショックの中での商社株投資の考え方

2015/1/20
原油・銅など資源価格が軒並み大きく下がっています。世界中に原油・天然ガス・石炭・鉄鉱石・銅などの資源権益を有する大手総合商社に逆風です。今日は、商社株の投資について、考えを述べます。
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 原油・銅など資源価格が軒並み大きく下がっています。世界中に原油・天然ガス・石炭・鉄鉱石・銅などの資源権益を有する大手総合商社に逆風です。今日は、商社株の投資について、考えを述べます。

(1)資源安でも比較的堅調だった大手総合商社の9月中間決算

大手総合商社5社で見ると、住友商事(8053)は北米シェールガスの権益に減損が発生して今期(2015年3月期)赤字です。ただし、他の4社、三菱商事(8058)・三井物産(8031)・伊藤忠商事(8001)・丸紅(8002)の業績は、比較的堅調です。

 
 

総合商社大手5社の9月中間連結決算実績

コード 銘柄名 純利益:億円 前年比 包括利益:億円 前年比
8058 三菱商事 2,551 15.0% 3,768 12.7%
8031 三井物産 2,227 9.3% 3,607 53.1%
8001 伊藤忠商事 1,522 1.1% 2,283 2.0%
8002 丸紅 1,303 16.5% 2,043 32.0%
8053 住友商事 -384 赤字転落 885 -64.8%

(各社資料より楽天証券経済研究所が作成)

(2)非資源事業の拡大と円安が増益に寄与

まず、総合商社の利益を見るときに一番大切な連結純利益を見てみましょう。三菱商事は15%増益、三井物産は9.3%増益です。資源事業の利益は減少しますが、非資源事業の利益拡大が増益に寄与します。各社とも、資源事業に利益が偏らないように過去5年以上、非資源事業の利益拡大に注力してきました。その成果が出ています。

また、円安も商社の利益拡大に寄与しています。商社は海外でビジネスを幅広く展開していますので、外貨建ての利益をたくさん稼いでいます。円安によって円に換算した利益が拡大しています。

(参考)円安でなぜ商社の利益が拡大するか?

海外で1億ドルの利益を稼いでいる商社は、1ドル100円の時は100億円の利益を稼いでいることになります。ところが、1ドル117円になると、1億ドルの利益は117億円の利益に変わります。円安が17億円(17%)の増益要因になります。

(3)包括利益が大きく増加

総合商社を見るときに2番目に大切な連結包括利益をみてください。三井物産は53.1%、丸紅は32%と大幅に増えています。総合商社は、世界中でいろいろな種類の事業に投資しています。事業会社としての側面と、投資会社としての側面があります。

円安が進行したことで、海外で投資している外貨建て資産の価値が大きく膨らんでいます。私たちが外債に投資して円安が進むと、為替差益が得られますが、それと同じです。

また、今期は、株や不動産などさまざまな投資資産が世界的に値上がりしていますので、その効果も包括利益を拡大させています。

(参考)包括利益とは

<包括利益>=<純利益>+<評価益の増加>

たとえば、1,000円で買った株を1,100円で売却すれば100円の純利益が得られます(税金・取引手数料はないとして計算)。1,000円で買った株を売却せずに1,100円の時価で保有している場合は、100円の含み益が包括利益に計上されます(税金が存在しないと仮定した計算)。

(4)好配当利回り株として人気の大手総合商社

 

大手総合商社5社の株価と予想配当利回り:1月19日時点

コード 銘柄名 株価:円 配当利回り
8001 伊藤忠商事 1,238.5 3.7%
8002 丸紅 679.5 3.8%
8031 三井物産 1,523.5 4.2%
8053 住友商事 1,172.5 4.3%
8058 三菱商事 2,071.0 3.4%

(各社資料より楽天証券経済研究所が作成)

大手総合商社は、資源価格急落という大きな逆風と、円安という大きな追い風を同時に受けていることになります。資源価格のピーク時に無理な資源投資をせず、こつこつと非資源事業の拡大に注力してきた三菱商事などは、資源価格急落の逆風の中でも、企業価値を高めることができているわけです。

ただし、住友商事のように、資源価格が高かったときに、資源事業への投資を大きく拡大させた会社は、今、逆風をより強く受ける形になっています。

(5)今後、資源権益に減損が新たに発生するリスクには注意が必要

今のところ、住友商事(8053)を除けば、資源急落の逆風をうまく乗り切っているように見えます。ただし、今後、減損が必要になる資源権益が増えるリスクはまだ残っています。とりあえず、これから始まる10-12月決算で、大手総合商社各社が、資源権益の減損リスクについて、どのような説明をするかが注目されます。

(6)大手総合商社の投資の考え方

私は、資源急落をうまく乗り切って高い収益をあげていくと考えられる三菱商事(8058)の投資魅力は高いと判断しています。

などから徐々に少しずつ買っていくのはよいと判断しています。三菱商事(8058)ただし、原油や銅の急落が決算にどう響くか慎重に見極める必要があります。現時点で総合商社株に大量の投資をするのはリスクがありますが、資源安を嫌気して株価が下がっている今、

 

 

  

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