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原油リスク

2016/10/26
前回政治リスクのお話をしましたが、原油価格を左右する原油の生産量は各国の思惑が大きく絡み合っているため、原油価格は政治要因と絡み合っているということに留意しておく必要があります。2014年6月には107ドル台だった原油は1年で半分以下になり、その後2016年初めには一時30ドル近辺まで下落しました。
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前回政治リスクのお話をしましたが、原油価格を左右する原油の生産量は各国の思惑が大きく絡み合っているため、原油価格は政治要因と絡み合っているということに留意しておく必要があります。2014年6月には107ドル台だった原油は1年で半分以下になり、その後2016年初めには一時30ドル近辺まで下落しました。原油は高すぎても様々な影響を及ぼしますが、短期間の急落も世界経済に大きなマイナスの影響を及ぼします。2016年に入って金融、為替、株式市場でお金の流れが大きく変わったのは記憶に新しく、今後も原油価格動向には注目する必要があります。

原油安がもたらした世界経済へのマイナスの影響

9月28日、OPECは低迷している原油価格を反転させるために8年振りに減産に合意しました。財政難で苦しんでいるサウジアラビアが、国交断絶中のイランに歩み寄り、自ら減産する意向を示したことから予想外の減産合意となりました。この減産合意を受けて、原油価格は直後に47ドル台まで上昇し、現在では50ドル台まで上昇しています。このまま価格は下がらずに更に上昇するためには、実際に各国の生産量調整が実施されるかどうかが注目ポイントとなります。更にOPEC以外の原油生産国、非OPECがこの減産合意に同意し、追随するかがポイントとなります。OPECの生産産量は全体の4割で、非OPECの方が生産量が多いからです。(『OPEC (石油輸出国機構)』『「持てる国」と「持たざる国」』参照)

主要国産油量の割合(%、2015年)

11月30日にOPECの総会があります。それまでに非OPECとの議論を重ね、11月30日のOPEC総会で減産決定ということになります。OPEC総会までに非OPECとの調整が上手くいかない場合、あるいはOPEC総会で減産合意に対してなにか条件が付く場合など、すんなりと合意しない場合は、原油安要因となり、金融市場に大きな影響を与える可能性があります。11月は米国大統領選挙もあり、12月には利上げ決定の可能性がある(原油安要因)米国FOMCがあります。OPEC総会はその間にある非常に重要な政治日程となります。これらの日程も押さえておく必要があります。

減産合意に向けた今後の日程

産油各国の思惑

減産合意には産油各国の思惑があるため、各国の思惑がどのように展開し、11月の総会で国別の生産量が決められるのかどうかが焦点となります。それでは減産する量はどの程度の水準なのでしょうか。9月の臨時総会で合意した生産量は3,250万~3,300万バレルに減産するという内容です。そして8月の日量は3,324万バレルだったため、減産量は74万~24万バレルの減産ということになります。ところがその後9月の日量が発表されましたが3,339万バレルと、8月比15万バレル増えていました。この日量をベースにすると89万~39万バレルの減産調整ということになります。政情不安で生産が低迷していたリビアとナイジェリアが増産したのが背景のようですが、減産で合意したにもかかわらず翌月には生産が増えていたという状況で果たして国別の生産量が決められ、減産合意がまとまるのでしょうか。

国別の生産枠を設定する際に、OPECは民間調査機関の情報に基づいて割当量を決める考えですが、すでに駆け引きは始まっているようです。イラクとベネズエラは自己申告ベースの生産量と乖離があるため過小評価だと不服を申し立てています。ともに30万バレル前後の違いということですが、目標の減産量と比べると大きな比重を占めるため、火種となる可能性があります。

イランは、経済制裁前のOPEC内のシェアが12.7%でしたが、8月時点では11%とまだ届かないため、制裁前の水準に回復するまで増産との意欲を示し続けています。今回の減産合意でイラン、リビア、ナイジェリアは減産を免除される見通しとのことですが、増産意欲を示しているイランに対して他の加盟国が減産免除に納得するのでしょうか。

また、非OPEC加盟国の動向にも注目する必要があります。果たして減産合意に協力するのかどうか。ロシアのプーチン大統領は10月10日には、減産に加わる用意があると述べましたが、12日には、「減産は、検討はできるが基本的にもう必要ない」と10日の発言を早速修正し、減産には慎重な姿勢を示しています。

原油価格は需要と供給によって決められます。供給は産油国の生産調整によって決められますが、需要は世界経済動向によって決められます。国際エネルギー機関(IEA)の最近のレポートによると、需要の見通しは「需要の伸びは減速が続く」と指摘しています。先進国の需要が鈍く、中国の産業用の需要の減少が影響しているとのことであり、2017年も伸びは鈍いとのことです。IEAは2017年前半まで供給過剰が続くと予想していますが、OPECが減産目標を守れば、「需給バランスの時期は早くなりうる」とも指摘しています。IEAの予想では需給均衡に必要なOPEC加盟国の生産量は2016年が3,182万バレル。2017年が3,259万バレルとしています。9月に決めた減産合意枠3,250万~3,300万バレルを順守できれば、2017年には需給が均衡する計算となります。11月の総会で減産合意すれば、マーケットは需給均衡の動きを先取りし、原油は上昇し、株も上昇する可能性があります。米国大統領選挙後、米国FOMC前の非常に重要なOPEC総会となります。

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